超感覚──異常ではなく超敏感だから感じとれてしまう
記憶というのは、感覚を伴うと鮮明に残っていくものです。
HSCは小さいときのことをよく覚えている人が多いです。感覚が深いので、記憶も鮮明なのでしょう。生まれるとき、生まれたあと、小さいときのことを、ずっと覚えている、そんな記憶を持つ人もいます。
私は、感覚には「超五感」があると考えています。聴覚に対して「超聴覚」というのがある。普通の人が聞こえないものも聞こえる人がいます。「超視覚」があって、一般には見えないものが見える人もいます。味覚も、嗅覚も、触覚もそうで人一倍感覚が研ぎ澄まされている五感を超えた感覚というものがあります。
「幻聴」とか、「幻視」といわれてしまったりするものが、超聴覚だったり、超視覚だったりするわけです。異常なのではなく、感覚が鋭いだけなのです。
敏感な人たちは、そのような感覚を持っていることが少なくありません。
あまりこういうことを言うと、「医者のくせに非科学的だ」と𠮟られてしまいます。けれども、科学で説明できることなんて、まだまだ少ないのです。説明のつかないことが世の中にはたくさんあります。そういう「事実」を私は受け入れたいと思っているわけです。
超感覚には他にも、マインズ・アイ、共感覚(シネステジア)、サヴァン症候群などがあります。これらの能力については第5章でまた触れますが、ここでは簡単にご紹介しておきましょう。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。