サプライズ好きの女がハマった自業自得

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思い立ったが吉日、思ったことを即行動にうつすユウカさんは、さっそく渋沢の家に向かったが、そこで想定外のものと出会ってしまう。

ユウカはひとりほくそ笑むと、タクシーを呼んでいた。

渋沢の家に行くときは、いつも渋沢を呼び出していたが、こちらからこっそり行って驚かせてやろう。

とりあえず、出産と子どもについての妄想はとどまることを知らなかったけれど、渋沢はどう考えているのか探る必要がある。

渋沢のマンションの前の駐車場でタクシーから降りると、渋沢の家の階までエレベーターで向かった。

沖縄は、マンションもそこそこ多いのだけど、オートロックのついたマンションはほとんどないから、こういう時に助かる。

エレベーターが渋沢の家の階で止まる。

「渋沢はいるだろうか? いたら突然の訪問に驚くだろうか?」

ユウカは、時折、こうした意図せぬサプライズを企むことがある。こうした癖は小さいときから変わっていない。人によっては、連絡もせずに他人の家に訪れるなんて常識がないと言われることもあるが、ユウカにとっては、サプライズをやってもいい相手を選んでおり、そんな批判に対しては気にならなかった。

ユウカにとって、渋沢はサプライズをやっていい相手のつもりだった。

玄関のベルを鳴らす。反応がない。

「何してるのかな? この時間なら仕事してるはずだけど」

もう一度、鳴らしてみる。やっぱり反応がない。

「おかしいな」

そう思って、玄関のドアノブに手をかけると、鍵はかかっておらず、力もいれずに「カチャ」っと開いた。

「あ、どうしよう。入っちゃおうかな」

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結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜

菅沙絵

友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む

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