「くだらないことに大切な時間を使ってないで」
つるの剛士が安倍首相主催の「桜を見る会」に向けられている追及を受けて、「政治家の皆さんお願いします。台風の被害で被災された地域の方々が大変な生活を強いられています。くだらないことに大切な時間を使ってないで来年の春に桜を見せてあげてください。本当にお願いします」とツイートしたのを読み、私は、「『くだらないこと』だとは思わないが、もしそう感じるならば、来年中止にして見直さなきゃいけないような『くだらないこと』を発生させた人は誰なのか、強引な言い訳を重ねて、引き延ばしているのは誰なのか、と考えないのだろうか」とツイートした。
その逃げ方はどうだろう
政治家は、公金を使って有権者を接待してはいけない。基本中の基本だ。安倍事務所が開いた「前夜祭」の会費に疑惑が広がっているが、むしろ8日に開かれた参議院予算委員会での答弁に何度でも立ち返らなればいけないと思う。田村智子議員から「地元の支援者がたくさん招かれているのはなぜか」と問われた安倍首相は、「自治会やPTAの役員方が後援会員と重複することもある」と述べている。つまり、この時点では「各界において功績、功労のあった方々」の中に偶然にも後援会員がいた、と主張していたわけである。ご存知のように、後日、菅義偉官房長官をはじめとした政府首脳が、推薦枠があったことをこぞって認めた。つまり、安倍首相はウソをついていたことになる。公金をめぐる国会答弁の中で、明らかなるウソをつき、はぐらかしている。これは絶対に「くだらないこと」ではない。
つるのは、自分のツイートが反響を呼んだ後、原口一博議員のツイートに対し、「政治家の先生がとあるタレントのくだらない呟きなんか相手にせずお務め頑張ってください!」と返している。「くだらない」の主体をいつの間にか、追及の声から自分にスライドさせている。彼のTwitterのプロフィール欄には「手抜いて気抜かず時々怠けない夢見がちなリアリスト」とある。意味はよくわからないが、この現実軽視はそのプロフィールに似合わない。「桜を見る会」について、政権やその支持者は、力づくで「他にもっと議論すべきことがあるでしょう!」という変換を繰り返すが、「ない」「捨てた」と言い張る書類や名簿を出して全体像を明らかにすれば、「もっと議論すべきこと」に移行できるはず。それができないのは、そちらのせいである。
「痛手を引きずり」という歴史観
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