「ふ~ん」としか言えないグラフ
ここ数回にわたり、サンプリングデータによってデータ分析のコストを削減できることと、その精度が思いのほか高いものであることを説明した。
だがそれ以上に重要なのは、「果たしてその解析はかけたコスト以上の利益を自社にもたらすような判断につながるのだろうか?」という視点だ。
顧客の性別や年代、居住地域の構成を見ると何%ずつでした、あるいはアンケートの回答結果を見ると「とてもそう思う」と答えた人が何%いました、といったデータの集計を「解析結果」として示されることはしばしばある。コンサルタントだとかマーケターだとか名乗る人々の中にも、適当なアンケートをとってキレイな集計グラフを作ることのみを生業にしているんじゃないかという人すらいる。
だが、果たしてこれらの結果に「何となく現状を把握した気になる」という以上の意味はあるだろうか? その結果を報告したあなたの上司やクライアントは「ふ~ん」と言う以上に何かリアクションのしようがあるだろうか?
データをビジネスに使うための「3つの問い」
「ふ~ん」以上のリアクションをするとは、すなわち、「ビジネスにおける具体的な行動に繋がる」ということである。そしてそうした具体的な行動を引き出すためには、最低限以下の「3つの問い」に対して答えられなければいけない。
【問1】何かの要因が変化すれば利益は向上するのか?
【問2】そうした変化を起こすような行動は実際に可能なのか?
【問3】変化を起こす行動が可能だとしてそのコストは利益を上回るのか?
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