#6 障害者の社会参加を独自手法で実現する

迷走する国の障害者雇用政策とは一線を画し、独自のアプローチで障害者の社会参加を促す企業が三つある。彼らの取り組みを紹介する。

 大手通信事業者のソフトバンクが、障害者の“みなし雇用”の実践に乗り出している。みなし雇用とは、フランスなどの海外で実例がある仕組みで、障害特性から短時間勤務しかできない複数人の障害者の勤務時間を合算して1人分になるなどとするものである。

 これまで、日本でも専門家の間では議論されてきたが、厚労省は「週20時間未満の障害者雇用は法定雇用率にカウントしない」として認めてこなかった。その意味で、ソフトバンクの取り組みは、他社に先駆けた試みといえよう。

 ソフトバンクのショートタイムワーク制度は、東京大学先端科学技術研究センターの近藤武夫教授が提唱する「15分からの超短時間雇用(IDEOモデル)」をベースに、1日4時間から働ける仕組みとしてアレンジしたものだ。

 2015年9月から試験導入を始めて、翌16年5月から本格開始に踏み切った。本プロジェクトの稟議を通したCSR統括部の木村幸絵課長は「仕事を切り出さない。仕事のある部署に、働きたい障害者を当てはめる。それは、健常者の場合と変わらない」と語る。

2009年6月より、ソフトバンク・グループは、東京大学先端科学技術研究センターと組み、障害のある子どもたちの生活や学習支援などを目指した各種のプロジェクトを進める。写真提供:ソフトバンク

 日本における障害者雇用のほとんどは、“雇ってから仕事を考える”というのが大半だが、同社の発想は先に仕事ありきで、そこに当てはめるというものなのだ。

 同様の手法は、すでに12の企業や地方自治体が導入し、実施には至っていないが賛同を表明する法人は106社に達する。特設ホームページでは、蓄積したノウハウも公開しており、近い将来の政策の柔軟化を見越して動いている。

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数字合わせに終始しない 障害者雇用

週刊ダイヤモンド

2018年4月より、「障害者雇用」に関する法律が一段と強化された。組織形態を問わず、常用雇用者が45.5人(※)以上いる会社は、2.2%の割合で障害者の雇用が義務付けられた。だが、1年たった今日でも、こうしたことが企業の人事関係者以外...もっと読む

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