青山裕企
性別はどうでもいい、ただ美しいひと
気になる男の人はいませんか? たとえば、クラスのあいつ、同じ職場のあの人、行きつけのカフェの店員さん……。なかなか勇気が出ないけれど、あの人の表情をもっと見たい! そんなあなたの願いを、写真家の青山裕企さんが叶えてくれます。今回は、日常の「推し」のあの方を撮ってほしい、というリクエストにお応えしました。
職場近くのカフェで、出会いました。
平日のお昼に、同僚数人でランチに行ったんです。くだらない話でひととおり盛り上がったころ、料理が運ばれてきました。何人かの店員さんがかわるがわる来てくれるなかに、その人はいました。
暗めのライトに浮かぶお顔にふと目が止まった瞬間、心のなかで「うわ〜!」と感嘆の声を上げていました。
めっちゃ美人! 宝塚の男役みたい。なんてかっこいい女の人なの……!!
思わず、同僚に「いまの人見た!?」と、声をかけてしまいました。こんな人、舞台の上にしかいないと思っていたけど、街にもいるんだなぁ。美しい人を見ると心が浄化される……眼福……。感動を覚えていると、その方がまたテーブルに来てくれました。そのとき、
ん……? ……ひょっとして、男の人かも?
声は高いけれど、意外とたくましい気がする! どっちかなとか、どっちでもないかなとか、勝手に数秒ぐるぐる考えたけれど、結論、そんなことはどうでもいいんです。
とにかく、美しい! 以上!!
私の日常における「推し」であるこの方を、ぜひとも撮影していただけないでしょうか? よろしくお願いします!
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この連載について
青山裕企
気になる男の人はいませんか? たとえば、行きつけのレストランの店員さん。同じ職場のあの人。名前も知らない、面と向かって話す機会もないけれど、彼のことがもっと知りたい……! そんなあなたの願いを、写真家の青山裕企さんが叶えてくれます。
著者プロフィール
1978年 愛知県名古屋市生まれ。2002年 自転車で日本縦断と世界二周の旅の道中で、写真家になることを決意。筑波大学人間学類心理学専攻卒業後、2005年 上京して写真家として独立。2007年 キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。2015年より公益社団法人 日本写真家協会(JPS)正会員。ギャラリーと出版レーベルを運営。現在 東京都在住。
『ソラリーマン』『スクールガール・コンプレックス』『少女礼讃』など、“日本社会における記号的な存在”をモチーフにしながら、自分自身の思春期観や父親像などを反映させた作品を制作。2009年より写真集などの著書を刊行、現在80冊を超える(翻訳版も多数)。台湾・香港・シンガポール・スペイン・ニューヨークなど、海外で個展やアートフェアなどに多数参加。
吉高由里子・指原莉乃・生駒里奈・オリエンタルラジオなど、時代のアイコンとなる女優・アイドル・タレントの写真集の撮影を担当。
お金マイナス・人脈ゼロで、写真を始めて22年、上京・独立してから16年目。自分なりの戦略で、ファーストペンギンのように写真業界を泳ぎ続けている。
公式ウェブサイト:https://yukiao.jp
note:https://note.com/yukiao