ネットフリックス恐怖症の真偽

【コンテンツ爆買いの新王者が起こす波紋】
昨年から日本のコンテンツ産業に対して本格的に関係構築を進め始めたネットフリックス。だが、世界を席巻するその圧倒的な強さ故に、警戒感が高まっている。

 「良い面もあるだろうが、リスクもあるはずだ。ただ、それがまだ見えていない」

 ある映画業界関係者は、ネットフリックスが日本のアニメ産業へ積極的に投資し、コンテンツ制作にいそしむ姿に警戒感をあらわにする。

 新メディア王者となったネットフリックスは、「コンテンツ爆買いで達成 ハリウッド随一の質と量」で紹介したようにコンテンツの爆買いを推し進める。だが、それはハリウッドだけの話ではない。世界中のありとあらゆるコンテンツ保有者から、配信権をかき集めている。

 日本では今、この爆買いの波がアニメ産業に押し寄せている。

 ネットフリックスは昨年から立て続けに大手アニメ制作会社6社と包括的業務提携を締結。独占配信するオリジナルコンテンツを制作しているのだ。

 しかも、単なる作品ではない。この4月に世界同時配信されたのは、3DCG(3次元コンピューターグラフィック)のアニメ「ULTRAMAN」(ウルトラマン)で、今夏には「聖闘士星矢:Knights of the Zodiac」が控える。いずれも原作は日本コンテンツ産業の“至宝”。ネットフリックスは、いわば日本が誇るアニメ作品の中心を射抜くように食い込み始めているのだ。

 そんな姿から、冒頭のような警戒感が高まっているが、同種の警戒感は過去にもテレビ各局が抱いていたものだった。

 ネットフリックスが2015年9月に日本に上陸した当時、テレビ各局は、「視聴者を根こそぎ持っていかれるのではないかと、業界全体が敵視していた」(大手テレビ局幹部)という状況だった。

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週刊ダイヤモンド 2019年4/20号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2019-04-15

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NETFLIXとナベツネとコンテンツの未来

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メディア王──。コンテンツを届ける産業には、時代ごとに“勝者”が存在する。彼らは人々の日常生活に入り込み、ライフスタイルを変え、世論を動かす。その圧倒的な影響力の源泉は何か。本誌は新旧二つのメディア王に焦点を絞った。読売新聞グループと...もっと読む

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