「この企業はどう? この業界は?」。リード・ヘイスティングスCEOへの独占インタビューの最中、本誌記者はネットフリックスが買収したら競争力向上につながると考えた企業を独断と偏見で選び、買収の可能性について聞いた。8業界24社のリストを示し、1社ずつヘイスティングスCEOの反応を観察した。
成長戦略にM&A(企業の合併・買収)を活用することは今や常識。米グーグルや米フェイスブック、米アマゾンは大型買収を繰り返し、成長の足掛かりにしている。だが、ネットフリックスは創業以来、買収した企業はゼロ。そんなストイックさが奇異に映ったからだ。
全リストは紙幅の都合上省くが、一部を下図に示した。日本企業も含まれる。
苦笑いしながらリストをのぞき込むヘイスティングスCEO。だが、「創業してから一度も買収はしていないし、これからもしないよ。ユーザーの満足のためにコンテンツをそろえることと、サービスの改善にしかおカネは使わない」と一蹴された。
それじゃあ記事にならないし、せっかくインタビュー時間をもらったのにつまらない。しつこく食い下がってみると、慎重に言葉を選びながら反応を示し始めた。