Reed Hastings(リード・ヘイスティングス)/1960年ボストン生まれ。ボウディン大学、スタンフォード大学卒業。83年米海兵隊に入隊。85年平和部隊の一員としてスワジランドにて数学教師を務める。91年ピュア・ソフトウェア創業。97年ネットフリックスを共同創業。Photo by Yasuo Katatae
──オリジナル映画「ROMA」は、アカデミー賞の作品賞にノミネートされました。
ええ、作品賞以外にもたくさんの賞にね。
──ビジネスにはどのように影響するのでしょうか。
作品賞にノミネートされ、また実際に(監督賞など3部門で)受賞したことは、本当に素晴らしいことです。わが社のコンテンツ部隊を助けることにつながります。もし私たちが賞を取れるような会社になれば、俳優たちは共に仕事をしたいと思うようになるでしょう。ワーナー・ブラザースやソニーじゃなくてね。
アカデミー賞受賞映画「ROMA」の監督、アルフォンソ・キュアロン(中央右)。
左端はテッド・サランドスCCO。
Photo:Kevork Djansezian/gettyimages
──今年のアカデミー賞受賞で、ネットフリックスはエンターテインメント業界の新王者になったと評されるようになりました。
私たちはまだまだ成長中です。海外展開も含めて、多くのことがまだ始まったばかり。これまでドラマシリーズではうまくやってきましたが、映画やドキュメンタリーについてはこれからです。
──DVDレンタルから配信、さらにオリジナルコンテンツへの投資と、創業以来、会社の方向性を大きく変えています。最大の変化は何だったのでしょうか。また変わらないことは何ですか。
創業からずっと、「ユーザーから学ぶ」ことを何よりも大切にしています。ユーザー調査を重ね、試行錯誤を繰り返してきました。
一つの事業に集中し
米国の視聴時間の10%を獲得
何が本当に好きなのか。どういうサイトが好まれるのか。フォントのサイズをどう変えたら注文が増えるのか……。
ユーザーがより多くの作品を見てくれるためには、いったい何が正しい選択なのかということを常に学び続けてきました。
確かに事業は変化してきましたが、ユーザーからの継続課金という、基本的なビジネスモデルは変わりません。
顧客にとってより良いサービスを提供するにはどうすればいいのか。ただひたすらユーザーのメリットを考えて実現させることで、私たちは成長してきました。
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