第4回】温度を変えると味が変わる? 日本酒の楽しみかたがひろがる「温度」の話

暑い日が続くなか、”キンキンに冷えた”日本酒で一杯というのもオツなもの。しかし、日本酒において「冷や」という言葉が示す範囲は広く、お店で「冷や」を注文したら思っていた温度と違うということもあります。さまざまな温度の日本酒をどう表現するのか、温度によって味はどう変わるのか。覚えると日本酒の楽しみかたが広がる「温度」の話をお届けします。夏バテ防止に「甘酒」がぴったりという、意外なマメ知識にも注目です。

8月ももうすぐ終わりそうなのにまだ暑い日が続いていますね。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

今年の猛暑を乗り切るために、僕が飲んでいたのが「甘酒」です。え? 甘酒って冬に飲むものじゃないの? と思われる方もいるかもしれません。実は江戸時代の昔から、甘酒は夏バテ対策のために飲まれていたのです。毎年夏になると甘酒売りがやってくることから、夏の風物詩となっていたのですね。俳句の季語でも甘酒は「夏」だったりします。

甘酒はビタミンB群や必須アミノ酸、ブドウ糖などがとても豊富で、点滴の成分とよく似ています。なので「飲む点滴」と呼ばれたりもするぐらい、優れた栄養ドリンクなのです。

現在手に入る甘酒には大きく分けると2種類あります。ひとつは米と米麹からつくった甘酒。もうひとつは酒粕からつくった甘酒です。米と米麹からつくった甘酒はアルコール分0なのが特徴で、子供も安心して飲むことができます。酒粕でつくった甘酒は、酒粕によってはアルコールが入っていることがあるのですね。米と米麹からつくった甘酒は、酒屋などで購入することができます。ではちょっと紹介しましょう。

こちらの「造り酒屋のあまざけ」(榮川酒造・福島県)は米と米麹からつくった甘酒になります。アルコールは入っていません。お米の粒を感じさせる、飲み応えのある甘酒です。この夏はこれをキンキンに冷やして飲んで乗り切りました。もちろん冬には温めて飲むつもりです。

でもせっかくだからアルコールが入っているものがいい! という方には、こんなお酒はいかがでしょうか?

「酒粕と果物と野菜のお酒 Bio菊水」(菊水酒造・新潟県)です。ちょっとびっくりするような色ですよね。これは菊水の辛口という日本酒と、酒粕と、カゴメ「野菜生活100 紫の野菜」をブレンドしたお酒なのです。そう、この色は紫色の野菜の色だったのですね。アルコール度数も5度あります。

よく振ると酒粕が全体にいきわたり、どろっとした感じになります。濃厚な甘みがあるのですが、酸味もある甘酸っぱい味なので、後味はそんなにしつこくありません。酒粕と野菜生活の栄養を摂れて、なおかつお酒も楽しめるというのは贅沢な感じですね。氷を浮かべたりソーダ割りにしても美味しいです。

ちなみにこのBio菊水は、最近秋葉原にできたCHABARA(ちゃばら)で購入しました。こういう各地の物産を取り扱っている物産館でも日本酒を取り扱っていることが多いので狙い目です。

甘酒もそうなのですが、日本酒も冷やして飲んでも温めて飲んでも美味しいお酒です。おもしろいことに、温度によって味わいが変わるのですね。暑いときには冷やし、寒いときには温める。ときには暑い夏に温めた日本酒を飲んで気持ちのいい汗をかくのもオツなものです。

というわけで、今回は温度の違いを中心に、日本酒のいろいろな楽しみ方のお話をしていきたいと思います。

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今宵語りたくなる日本酒のはなし

杉村啓

夏本番。暑くてのどが渇くぶん、お酒の美味しい季節です。ビールやワインを飲むのもいいけれど、日本酒はいかがですか? 自由大学で「入門日本酒学」を教え、数々の蔵元とも交流する日本酒ライター・杉村啓さんの案内で、奥が深い日本酒の世界をのぞい...もっと読む

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コメント

mu_mu_ そのさらに前の前 / 4年以上前 replyretweetfavorite

mu_mu_ で、4回目です。 4年以上前 replyretweetfavorite

mu_mu_ 第四回はこちら。温度のお話です。 4年以上前 replyretweetfavorite

mayanomi こないだ「緑川」舐めたら美味しいと分かったので、飲めないなりにちょっと興味が。 4年以上前 replyretweetfavorite