加藤シゲアキと、交ざり合う記憶。

「モテる文体とはなにか?」を徹底的に分析する連載です。今回は、アイドルであり小説家でもある加藤シゲアキさんの文章の中にある、巧みな“回想力”について解説します。書評ライター・三宅香帆さんの著書『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』のcakesオリジナル版です。

加藤シゲアキの回想力
直接そうは言ってないけど、言いたいことが伝わってくる!





カタカナは目立つ。

文章をさらさらと読んでいても、ぱっ、と目に飛び込んでくる。
そしてそのカタカナが、物珍しいものであればあるほど、なおさら。

この文章でいちばんのポイントは、まあ、なにはともあれ「ウスバカゲロウ」だろう。
これは短編小説のなかの一場面。
アンという幼馴染が泣いているところを、主人公が見ている......という状況だ。
そのなかにあって、僕が考えていることといえば、
「ウスバカゲロウ」と「蟻地獄」についての思い出だという。

一見、読み手はわからない。
「へ? なんでここでウスバカゲロウ?  ん? 蟻地獄?」
と疑問に思い、戸惑う。
わりと唐突な挿入なのだ、この場面は。
だけど裏を返してみれば、
読み手が「しっかり戸惑える」場面でもある。
小説をさらさらと楽しんでいる読み手の頭に、
突如「ウスバカゲロウ」と「蟻地獄」という言葉が割り込んでくるからだ。
「ウスバカゲロウ」を読み飛ばされては、この場面は成立しないのである。

......おわかりであろーか。

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三宅香帆

こんな書き方もありだったのか! 文芸オタク女子が暴露する、「モテる文章の秘密」がいっぱい。文章を書くという行為が、今よりもっと面白くなるはずです。

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コメント

chioboo9 なるほど〰️🍓 28日前 replyretweetfavorite

m3_myk cakes連載が更新されました〜 今回は本に載っていない、加藤シゲアキさんの文章について。有川浩さんがエッセイで絶賛してたので読んでみたら文章が計算されててよかった〜ので書いてみました。一週間無料で読めます!なにとぞ! https://t.co/8PzC7wNBNw 29日前 replyretweetfavorite