きれいな履歴書ではなくなった
はじめての就職先を1年10カ月で退職。
大学時代の友人と比べて遅い社会人スタートだったのに、みんなより早く退職。
仕事を辞めたことで、ハッキリと落ち込んでいた。
きれいな履歴書に傷がついたと思ったのだ。
いままでの人生で思い通りにいかなかったことはあったものの、浪人もしなかったし、中学・高校・大学・大学院・就職と、まあまあ優等生ルートだった。
それが、まさかの「就職・即退職」。同級生はみんなちゃんと働けているのに、なぜこの私が続けられないのか。
他人の目を人一倍気にする私。退職してまわりからどう思われるのか、本当に気になった。
かといって、何をすればいいのか、何から手をつけていいかわからない。
美人だったら、「無職でも美人」。
ブスは、「何者でもないブス」。
資格は拠りどころになったものの、就職の失敗で、税理士という職業をやっていくのは無理かもしれないという不安でいっぱいだった。つまり、そのときは資格が無用の長物としか思えなかったのだ。
ブス、北海道へ 自分探しの旅に出る
仕事を辞め、すぐ働く気にもなれなかった私は、モラトリアム期間に入った。
何をしようか。
そうだ、一人旅に出よう。
一人旅といったら、バックパッカー、海外だ。
いや、海外は怖い。ろくに海外旅行もしたことがないのに、いきなりひとりでどこに行けばいいのだ。じゃあ、国内だ。北? 南? 調べると北の北海道も南の沖縄も一人旅用の宿は充実している。どちらに行ってもよさそうだ。でもな。南はちょっと。なんとなく北の方向に行きたい。北海道に行くことに決めた。
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