販売部数世界一の「読売新聞」を発行する読売新聞グループ本社。傘下には民放キー局で視聴率トップの日本テレビ放送網や出版社の中央公論新社、プロ野球球団の読売巨人軍を有する。新聞を中心とした、グループ売上高1兆円を超えるコングロマリットを形成している。
その頂点に立つのが「ナベツネ」こと渡邉恒雄代表取締役主筆だ。90年代から政、財、メディア界を牛耳る20世紀型メディア王だ。
一方、ネットフリックスは映画やテレビドラマシリーズ、ドキュメンタリーを有料で配信する動画配信事業者。米国シリコンバレー近郊のロスガトスで1997年に生まれた企業だ。 2013年から制作を始めたオリジナルドラマは数々の賞を獲得。コンテンツメーカーとしての実績も積み上がっている。会員数は世界で1億4000万人を超え、世界一。インターネットでコンテンツを配信する21世紀型メディア王である。
隆盛を誇った時代や運営媒体、業界環境、何もかも違う両王者。だが、つぶさに観察してみると、意外な五つの共通点が存在する。それらは、彼らをメディア王たらしめている条件だといえる。次回から、詳細を解説していこう。
※ 『週刊ダイヤモンド』2019年4月20日号より転載(肩書は掲載当時)