クソメンと付き合うと発生しがちな「収穫問題」とは!?
【登場人物】
清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業
森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員
ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員
清田 桃山商事の恋バナ連載、今週は「別れない理由」について語っています。
森田 前回は同棲しているクソメン彼氏に苦しめられている女性のエピソードを紹介しました。彼女の中には、「これまで我慢してきた分の元を取りたい」という気持ちがあるとのことだったよね。
清田 カレは浮気もしていて、大人しく別れたら浮気相手のところにあっさり行っちゃいそうな状況だった。
ワッコ 彼女の気持ちはわかりみが深かったですね。こっちがただ孤独になって終わりとか、イヤじゃないですか。
森田 ワッコは、カレシに浮気された後も関係を続けていたことがあったよね。
ワッコ わたしが同棲していた元カレは、浮気がバレてフルチン土下座をした後も同じ相手とセックスしていたようなクソメンだったんですけど、だらだらと同棲を続けてしまい、なかなか別れることができませんでした。
森田 土下座する前の「泳がせている」時期もけっこう長かったでしょ?
ワッコ 長期に渡って経過観察してました。周りからは「もう別れればいいんじゃないか」と散々言われてましたね。
清田 その時の「別れない理由」ってなんだったの?
ワッコ いろいろあるんですけど……ひとつには、家が好きっていうのがありました。そのとき一緒に暮らしていた家がめっちゃ好きだったんです。収納もすごい広かったし(笑)。
清田 居心地も機能も申し分なかったと。
ワッコ あとは、最初はそんなに好みじゃなかった彼氏の見た目が、徐々に自分好みになってきたっていうのもあったかもしれないです。「仕上がってきたぞ」と。
清田 ワッコが磨いてきた感がある?
ワッコ 一緒に買い物に行って服を見繕ったり、自分が行っている美容院を紹介したりした結果、付き合い始めた頃よりはずっとよくなった感覚はありました。別れるとその状態でリリースすることになりますよね。
森田 せっかく育ててきたのにね。
ワッコ 無名時代から手塩にかけてきたタレントさんを、スターダストみたいな大手事務所に持ってかれる、みたいな(笑)。
清田 それは野球とかサッカーでもよくあることで、4番を打てるまで育てたのに巨人が持ってっちゃった、とか。
ワッコ ちなみに彼はべつに一般的に言うイケメンとかではなかったので、あくまでもわたしのなかでの4番であって世間様の4番ではないとは思うんですが……。
清田 これって我々が「収穫問題」と呼んでいる問題だよね。クソメンだったカレシと散々苦労してコミュニケーションを図り、全然やらなかった家事もするようになって、服装や清潔感とかもアドバイスして、ようやくマトモになってきたところで別れてしまい、次の彼女がコストを払わずごっそり収穫していくという。サクッと結婚しちゃうケースも多いみたいだし……。
ワッコ ほんとに悔しいんです、それ。わたしの元カレも、今は市場に出ているわけじゃないですか。自分がそれを収穫したい気持ちは全くないんですけど、浮気もできるくらい世の女性から需要があるっていうのは、なんかムカつくんですよね。
森田 彼自身は「収穫問題」の構造を自覚してないだろうしね……。
特大の「別れる理由」を探していた
森田 あとさ、その当時ワッコは「カレと浮気相手がセックスしてるところを撮影したい」としきりに言っていたじゃない? 傍から見ていて、ちょっと心配になるような情熱をかけていた。あれはなんだったのかな?
ワッコ 多分、わたしは別れる理由をずっと探してもいたんですよ。自分が納得できるような特大の別れる理由が欲しかったんだと思います。
清田 なるほど。その状況を吹き飛ばすような強風を望んでいたわけね……。
ワッコ 「見てしまったらとてもじゃないけど同棲なんて続けていられない」っていうエグいシーンを目の当たりにしたらさすがに別れられると思ったんですよ。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。