儲かる農業2019

変革者不在のJAの末路 京都、大阪、広島は全単位農協でダウン

本誌ランキングで、下位の農協は固定化してきている。こうした“常連組”の中には、財務の悪化、職員のノルマ地獄や離職などが常態化して、負のスパイラルに陥っている農協がある。

 「ゆく道は、協同のみち。相共に歩みてゆくを喜びとせん。」

 これは山形県・JAやまがた出身でJA全農会長に上り詰めた長澤豊氏の座右の銘である。

 だが、長澤氏が理想とする「農協像」と実態には、大きな乖離があることが本誌取材で分かった。

JA全農の長澤豊会長。2017年の就任時に地元で開かれた祝賀パーティーには県知事ら数百人が集まった。
Photo: JIJI

 下図を見てほしい。JAやまがたが職員に課す営業ノルマの一部をリスト化したものだ。毎年これだけの商品の販売を強いられる職員の負担は相当なものだ。

 農協内部の関係者によれば、「金融部門の職員から共済の契約実績を買い取ったり、不必要なものを自分で買う自爆営業をしたりして、ノルマをこなす営農部門の職員もいる」という。

 こんな昔ながらの事業スタイルを続けて展望が開けるわけはない。実際に、JAやまがたでは中堅や若手の職員の離職が相次いでいる。

 こうした状況は農家にとってもよくない。前出の関係者によれば、「長澤氏が県中央会長、全農会長へと上り詰める過程で、農協が全農の“下請け”となり、独自性が消えてしまった」という。

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農業はテクノロジーで激変する。新時代の生産・流通革命に柔軟に対応できる農家だけが「儲かる農業」を実現できる。パートナーや事業を機動的に組み替えられる小規模農家にこそ勝機はある。 ダイヤモンド編集部・千本木啓文、浅島亮子、重石岳史/デー...もっと読む

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