儲かる農業2019

フェイスブックを駆使して視聴者を優良顧客に変える

中小キラリ農家への道①
【自己プロデュース型】

 中小規模の農家は、生産や出荷の作業に忙殺されて営業活動に手が回らない──というのが定説だ。

 しかし、鳥取県のりょうさんファーム(中小キラリ農家20位)の増井良平さんは、スマートフォンで簡単に情報発信できるフェイスブック(FB)を使い、効率的に優良顧客を獲得している。

海藻農法でコメ栽培に取り組む金屋谷海藻農法普及会の幹部と栽培方法について話す増井さん(右)

 増井さんのFBページを見ると、白ネギの糖度を計測している写真が掲載されている。糖度は11.2と、ネギにしてはかなり高い。甘さの秘密は地域で採れる海藻を原料にした肥料を使っていることだ。

 ネギの一本焼きにネギラーメン──。これでもかという更新速度でおいしそうなネギ料理の写真がアップされる。実際に、増井さんが納品先の外食店で試食して回っているのだ。FBの友達数は2000人で宣伝効果は小さくない。

増井さんはネギの皮むきなど作業の動画をSNSにアップする。これも消費者に親しまれるコツだ

 増井さんのFBの活用は商品紹介だけでは終わらない。

 大胆にも、卸売業者の社長や外食店の経営者など顧客候補に友達申請をしまくり、脈がありそうな相手とは直接会って試食してもらう。FBを通じて200万円の契約が取れたこともある。

 増井さんは山陰合同銀行のビジネスマッチングに登録しているが、この枠組みでもFBが効果を発揮する。FBなどの情報発信を見て、多いときには月15件ほど商談の申し込みが来たという。

 市場に出荷するネギ農家と違い、特殊な肥料を使う増井さんは通常の1.5倍の生産コストを掛け、2倍の売価を目指すビジネスだ。増井さんは「特徴がある作物を独自販売するなら、SNSでのPRは試してみるべきだ」と主張する。

 農家や顧客先企業の世代交代が進む中、農家によるデジタルプロモーションは不可欠になっている。

 本誌は「担い手農家アンケート」で近年、使ってみて経営に役立ったアプリを聞き、「販売・集客アプリランキング」を作成した。

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儲かる農業2019

週刊ダイヤモンド

農業はテクノロジーで激変する。新時代の生産・流通革命に柔軟に対応できる農家だけが「儲かる農業」を実現できる。パートナーや事業を機動的に組み替えられる小規模農家にこそ勝機はある。 ダイヤモンド編集部・千本木啓文、浅島亮子、重石岳史/デー...もっと読む

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