誰しもがナラティヴの中で生きている

忖度、対立、抑圧……。どうして職場で正論が通用しないのでしょうか? あらゆる現場で起きる「わかりあえなさ」から始まる諸問題は、ノウハウで一方的に解決できるものではありません。立場や権限を問わず、ノウハウが通用しない問題を突破する、組織論とナラティヴ・アプローチの超実践的融合とは──
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誰しもが持つ「ナラティヴ」とは何か

社会で働く中で、私たちは気がつかないうちに「私とそれ」の関係性を相手との間に構築していることがよくあります。うまくいっているならば、無理にそれを変える必要はありません。しかし、そこから何か想定外の問題が生じたときなど、適応課題が見出されたとき、私たちはその関係性を改める必要が生じていると考えることができるでしょう。

その一歩目として、相手を変えるのではなく、こちら側が少し変わる必要があります。そうでないと、そもそも背後にある問題に気がつけず、新しい関係性を構築できないからです。

しかし、「こちら側」の何が変わる必要があるのでしょうか。

それはナラティヴです。「ナラティヴ(narrative)」とは物語、つまりその語りを生み出す「解釈の枠組み」のことです。物語といっても、いわゆる起承転結のストーリーとは少し違います。

ナラティヴは、私たちがビジネスをする上では、「専門性」や「職業倫理」、「組織文化」などに基づいた解釈が典型的かもしれません。

いくつか例を挙げてみましょう。上司と部下の関係では、上司は部下を指導し、評価することが求められる中で、部下にも従順さを求めるナラティヴの中で生きていることが多いでしょう。

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わかりあえなさ」から始める組織論

宇田川元一

忖度、対立、抑圧……。どうして職場で正論が通用しないのか? 現場で起きる「わかりあえなさ」から始まる諸問題は、ノウハウで一方的に解決できるものではありません。その「適応課題」と呼ばれる複雑で厄介な組織の問題をいかに解くか。 論破す...もっと読む

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