農村と『水滸伝』に育てられた男
毛沢東、字は潤之。幼名は石三。
日清戦争の前年、1883年(光緒十九年)12月26日、大清帝国湖南省湘潭県韶山中村生まれ。世代的には小説家の芥川龍之介や吉川英治、また長寿姉妹のきんさんぎんさんの1歳年下にあたる。
父は毛貽昌という。かつては先祖以来の負債を抱えた貧しい農民だったが、本人が働き者で商才もあったために資産を貯めることに成功した。毛沢東が物心つく頃には小作人を1人雇い、牛の売買に手を出すなど裕福な暮らしだったという。母親は信仰心が篤く、いつも家の中にある道教の神龕(=神棚)を拝み、村の近所の石観音への参拝も欠かさない人物だった。毛沢東の幼名「石三」も、この石観音にちなんで付けられた。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。