毛沢東(中華人民共和国初代国家主席)
【第2回】 農村世界に育った異端分子

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。この連載では、世界の独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に反映させたのかを読み解いてゆきます。今月は中華人民共和国初代国家主席の毛沢東。彼の人格形成に影響を与えた中国農村を支配する3つの権力とは。(『独裁者の教養』より)

農村と『水滸伝』に育てられた男

毛沢東、字は潤之。幼名は石三。

日清戦争の前年、1883年(光緒十九年)12月26日、大清帝国湖南省湘潭県韶山中村生まれ。世代的には小説家の芥川龍之介や吉川英治、また長寿姉妹のきんさんぎんさんの1歳年下にあたる。

父は毛貽昌という。かつては先祖以来の負債を抱えた貧しい農民だったが、本人が働き者で商才もあったために資産を貯めることに成功した。毛沢東が物心つく頃には小作人を1人雇い、牛の売買に手を出すなど裕福な暮らしだったという。母親は信仰心が篤く、いつも家の中にある道教の神龕(=神棚)を拝み、村の近所の石観音への参拝も欠かさない人物だった。毛沢東の幼名「石三」も、この石観音にちなんで付けられた。

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この連載について

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独裁者の教養

安田峰俊

悪の親玉としてイメージされがちな「独裁者」たち。しかし、彼らは優れていたからこそ「独裁」を行えたはずです。そこで、この連載では、世界を代表する独裁者たちが、若い頃にどのような知識や価値観、思想などの「教養」を得て、それをどう国家支配に...もっと読む

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