大体毎日朝は、猫がベッドに飛び乗ってくる軽い衝撃で目が覚めて、そのあと猫が「ニャーン、ニャーン、ニャーン」(寝てないで構って構ってよ)って鳴きながら寝ている自分の周りをうろうろ歩き回ったり、こちらの手に頭を擦り付けてきたり、ときには「ゴロニャーン」(ねーねー起きてよ)とか鳴きながら寝ている僕の体の上に飛び乗ってくるのを、「はいはい仕方ないな……」と思いながら半分眠ったままの意識で頭を撫でてやったりする感じで目を覚ます。
猫は全2匹飼っていて、右の白いのがスンスン(6歳・メス)で、毎朝ベッドに飛び乗って来る。左の黒いのはタマ(6歳・オス)という。スンスンとは姉弟の関係に当たる。
タマは寝てる僕に迫ってくるほどの強引さはないものの、スンスンに劣らず甘えん坊なのには変わりなく、こちらが何か作業などをしているときに邪魔をしてくるのはタマのほうが多い。人間があぐらをかいて座っているとその組んだ足の上で丸まって眠るのを好む。僕が椅子に座っているだけで、下から見上げながら何か訴えかけるように「ニャーニャーニャーニャー」と鳴き続ける。最初はこれは何を訴えているのかよくわからず「お腹空いてるのかな」とか思っていたのだけど、これは「椅子に座っているとこっちが甘えにくいから床に座れ」ということだというのが長年の付き合いで分かってきた。人間は猫が座るための座布団扱いということだ。仕方ないので床に座る。
タマは一旦あぐらの上に陣取ると、目を細くしながら体を丸めて、鼻息をフシューフシューと荒く吐き出しつつ、エンジン音のようにゴロゴロゴロゴロと大音量で喉を鳴らして全力で甘えて続ける。喉の下などを撫でてやるとよだれを垂らしそうなゆるんだ至福の表情を浮かべる。このポジションを取られてしまうともう猫側の言いなりで、こちらはひたすら撫で続けるしかない。人間としても猫に触るのは肌触りがよくて気持ちいいんだけど、脚の上に居座られてしまうと動けないので不便だし、そのうち脚が痺れてきてしまう。
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