谷口真人(アーティスト)→高橋智隆(ロボットクリエイター) Vol.3「ロボットの性別を意識しますか?」

今回のインタビュアーは、アニメ少女のモチーフを独自の手法で表現したペインティング、映像インスタレーションなどの作品で注目を集めるアーティスト、谷口真人さん。その谷口さんがインタビュー相手として指名したのは、日本を代表するロボットクリエイターとして、オリジナル作品から企業との共同プロジェクトまでさまざまな仕事を展開し、各メディアからも引っ張りだこ状態の高橋智隆さん。三次元と二次元、物質とイメージなどの狭間に生じるものを作品テーマに据えてきた谷口さんが、物質としてのロボットを作り続けてきた高橋さんに、いま聞きたいこととは?

ロボットの性別を意識しますか?

Q. 高橋さんがロボットを作る時に、性別というのは意識しますか?

高橋:あまり深く考えてはいないですが、僕の中では男の子のキャラクターというイメージがありますね。以前に女性ということを意識して作ったロボットもありますが、そういう特別な理由でもない限り、自分のロボットは男の子なんだと思います。逆に言うと、女の子のロボットを作る意味があまり見出せない。出発点がアトムだったりするから、自然とマンガに出てくる主人公の男の子のような意識で作っているのかなと。

Q. なるほど。マンガの主人公的なイメージがあるんですね。たしかにアトムにしても、ドラえもんやコロ助などにしてもみんな男ですもんね。僕は高橋さんとは違って、まず女の子をイメージしてしまうんです。例えば、アニメの主人公の男の子の声も、実際は女性がやっているじゃないですか。そういうこともあって、まず女の子をイメージしてしまうんです。

高橋:自分とは逆のことをイメージする人もいるんですね。面白いです。女の子というのは色んな意味で大人の女性が持っているものがまだない中途半端な状態で、あまり興味がいかないんですよね。子供ということに関しては、自動的に男の子をイメージしているんですが、もし今後子供以外のロボットを作るとしたら、女性を作ると思います。やっぱり女性の骨格の構造や動きには美しさがあるし、もし女性型のロボットを作るとしたら、高貴な美しさがあるものを作りたいですね。


女性らしいフォルムと動きを意識して作られた「FT」。

Q. 僕の場合、メイドロボとかそういう方向をイメージしてしまいます(笑)。ちなみに、高橋さんは女性のパーツだったらどこが好きですか?

高橋:いきなり何を聞くんですか?(笑) その時々で、この部分が面白いなという旬のパーツみたいなものがあったりしますね。あまり良くないかもしれませんが、異性を見る時に違う意味での下心、つまり仕事やデザインの延長上で、研究対象として見てしまっているところがあるかもしれません。パーツということで言うと、例えば、一般的に「美人」「ブス」と言われる女性の違いって何だろうと考えることがあります。目、鼻、口、耳などみんな同じパーツで構成されていて、しかもそれぞれのパーツを単体でよく見てみると気持ち悪いものだったりするじゃないですか。じゃあどこに「美人」と「ブス」の差があるのかと。

Q. 考えたことなかったですが、言われてみるとたしかにそうですね。

高橋:例えば、工業製品の美というのは、完璧なパーツが揃うことで生まれると思うんですね。一方で人間の美というのは、完璧なパーツの集合ではなく、むしろディテール自体は気持ち悪いものなんですよね。付いているものは皆同じで、それらはもともと気持ち悪いものだったはずなのに、相手によってそのパーツを好きになったり、気持ち悪く感じたりするというのは不思議なことだなと。

人間にとってロボットとは何ですか?

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