行けば、ちょっとだけ針が「山派」に傾く。蓋井島

山道を散策していたらエミューに遭遇⁉︎ そんな島が、山口県にありました。そこは、どこよりも山の神様を大事にする島でもあったのです

海も好きだが、山も好き!

島って、そんな人のための場所でもあると思うんです。数ある島々の中でも山フォーカスで楽しむなら、ここ蓋井島へ。この島では、山の神様とエミューが同じ山にまさかの同居中なんです。行けば、ちょっとだけ針が「山派」に傾く。そんな蓋井島へ、いざ!

下関市の吉見港から船に揺られて35分、周囲を断崖に囲まれた小さな島に到着です。売店で島内の地図をゲットしたら、「やまどりの散歩道」と呼 ばれるハイキングコースへ。すると早速、山の入り口に小さな鳥居を発見。なぜならこの島には「山」と呼ばれる4つの森があり、それぞれ「一の山」「二の山」と名づけられ、そこに山の神様がいると伝えられているから。さらに戌年と辰年の6年に一度、3日間にわたり神様をもてなすお祭りがあるのです。

島では「山」は、とても神聖な場所。「四の山」の手前まで、そろりとお邪魔。まるで『まんが日本昔ばなし』の世界...と思っていたら、神籬(ひもろぎ )の傍らに巨大な龍のオブジェが。なんでも神様を楽しませるための「ツクリモノ」で、お祭りの度に島の男性陣が作るのだとか。次のお祭りのときまで、山に残しておくのが習わしです。崇高でありながら、楽しむことも忘れないお祭りなんですね!

エミューと出会う山

山の神様に挨拶をしたら、オーストラリアの気高き国鳥・エミューを見に行きます。エミューといえばダチョウに次いで 2番目に大きな鳥、そして飛べない鳥です。島おこしで始められたエミュー牧場はこのハイキングコース内に2カ所あり、山麓では雛が飼育されています。春に孵ったばかりの雛が跳ね回る姿に悶絶したあとは、大人のエミュー牧場へ向かうのですが、その前に山に悶えましょう。ハイキングコースは全長1500m。緩やかな傾斜の散歩道を進み、途中、孤独と不安が押し寄せながら(携帯電話の電波はつながりにくいです!)、 40分ほど歩いたそのとき。どこからともなく「ポンポンポンポン」と不思議な音が。これ、メスの鳴き声なんです(ちなみにオスは「ゴー」と いう渋い声)。

早速、わくわくしながら牧場へ。するとエミューは人なつこいけれど追うと逃げるツンデレ動物でした。「でも、人なつこいヤツは一番に捌かれてしまうんよ」と話すのは、牧場の責任者・中村求さん。現役の漁師さんでもあります。「この山には昔から水田があったんだけど、振わなくてね。 島の仲間とビールを飲みながら再生法を模索していたとき、『ダチョウでも飼ってみようか』ってひらめいたんです」

それが転じて、エミューを飼育することに。やっぱブレストにはビールが必須ですな。ちなみに島の小学生情報によると、1本の根本から2枚重なって生えるエミューの羽根には縁結びのご利益があるそうなので、恋する全女子は絶対に拾って帰りましょう! 空も暗くなってきたところで、民宿「すおう」さんへ。名物料理サザエご飯や、現役海女の輝美おばあちゃんが獲ってくれたウニがいただけます。夕食後は、輝美さ んとDVD鑑賞タイム。内容は 以前バラエティ番組で島が取 り上げられたときのもので大 物芸人さんが「金比羅山」に登る姿が映し出されていました。 「この山からの景色は一日中見てても飽きんのよ」と輝美さんのお墨付き。よし、明日登ってみよう。

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