配車アプリ大乱戦!

配車アプリ大乱戦!

「タクシーの配車を一緒にやりませんか」。ライドシェア企業の中国・滴滴出行(DiDi)の担当者が、国内タクシー最大手の第一交通産業の元にやって来たのは、今から2年以上も前のことである。
孫正義氏が率いるソフトバンクグループがDiDiに50億ドルもの大金を出資し、日本で合弁企業を立ち上げるよりも前から、DiDiは日本市場を虎視眈々と狙っていた。

それから時を経て、2018年9月。ついにDiDiは、大阪府でタクシー配車サービスを開始する。巨大外資企業の上陸で、本格的な戦いの火ぶたが切られた。

 今、タクシー配車アプリ市場が熱い。

 18年は、DiDiの日本上陸だけではなく、ライドシェア企業の米Uber(ウーバー)やIT企業のディー・エヌ・エー(DeNA)などが、相次ぎ参入した“配車アプリ元年”。東京や大阪など競うように地域を拡大しており、先行する最大手のJapan Taxi(ジャパンタクシー)を巻き込みながら、激戦を繰り広げている。


拡大する

 配車アプリは、ただの車両手配にとどまらない。スマートフォン上で行き先の指定や決済などが行えるほか、周囲の車両の位置情報もマップで表示されるなど、その利便性の高さから都市部を中心に利用者が急増している。

 また、タクシー側にとっても、人工知能(AI)によるマッチングで実車率の向上が見込める。

 いまだ地方では電話による配車が一般的なため、「アプリでの配車は全体の数パーセントもない」(関係者)市場ではあるが、その成長性から各社が注力しているのだ。

 競合が乱立する中にあって、各社の争いの焦点は二つある。利用者と、タクシー事業者の獲得だ。

 12月、東京進出に合わせてDeNAが自社アプリのMOVで仕掛けたのが「0円タクシー」だ。

 車両のラッピングやタブレットによる動画といった広告費によって運賃を賄う仕組みだ。初回は日清食品とタッグを組み、その費用の総額は「数億円ぐらい」(競合企業幹部)といわれているが、派手なキャンペーンで利用者の関心を一気に引き寄せた。

 もちろんライバルも黙っていない。タクシーの最繁忙期である年末にかけて、DiDiは週末に初乗り料金相当が無料になるキャンペーンを実施、ウーバーも2500円の割引が最大10回使えるクリスマスキャンペーンを行った。

 さながら広告費のバラマキ合戦だが、まずは利用者の認知を得るために、こうしたPR合戦を各社が繰り広げている。

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週刊ダイヤモンド 2019年2/16号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2019-02-09

この連載について

配車アプリ大乱戦!

週刊ダイヤモンド

タクシー配車アプリが激戦のさなかにある。最大手のジャパンタクシーを筆頭に、ディー・エヌ・エーや、中国・滴滴出行、米ウーバーなどの外資勢が2018年に一斉にタクシー配車に乗り出した。一方で、規制や慣習に縛られるタクシー業界の課題も浮き彫...もっと読む

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