マレーシアの居心地の良さってなんなんだろ?とよく考えます。言われてるほど治安も大して良くないし、東京よりずっと不便。最近ではビザも厳しくなりました。
なのになんとなく、「周囲の人がみんな味方」に見えてしまうことがあります。
昨日、中学生の子供が財布を忘れて出かけて行きました。
帰ってきて、「お昼ご飯、どうしたの?」と聞いたら、「実は……言いにくいことが起きて」とモジモジしています。
スーパーのレジで会計したら、財布がない。カバンをガサガサ探していたところ、近くで見ていたマレーシア人女性がさっと支払いをし、そのまま去ってしまったと。あまりのことに、お礼を言う暇もなかったんだよ、と。金額は7リンギット(200円弱)。
もうお金も返せないし、お礼もできない。困ったなー、と思ったのですが、「次に誰か困っている人を見たら、その人を助けよう」と話し合いました。
親切さのハードルが低い
マレーシアでは、こういうことが実によくあります。
困っていると、ホントにさっと手が差し伸べられるというか。
重い荷物を持って階段登ってると、持ってくれる人が現れます。
いえ、日本人もマレーシア人も、一人一人の親切さは多分変わらない。
けれど、その親切さがここではむちゃくちゃカジュアルです。
前回書いたように他人を見ていないのにも関わらず、「他人を助けるマレーシア人」「他人とは距離を置く日本人」って感じです。
マレーシアのあるメディアの調査によれば、駐車場の券売機でお札が入らなくて困っている人を見かけたら、お金をあげる人が大多数(96パーセント)なのだそうです。実は私も一回、駐車場でお金がなかなか入らず困っていたら、後ろの人に1RM札(30円弱)をもらったことがあります。最初はびっくりしましたが、この調査を見て「あ、この国では普通なんだ」と気づきました。
レストランで食事していると、よく物売りや演奏をして「お金をください」という人、寄付を募る人がやってきます。そして見ていると、知り合いのマレーシア人たち、よくこういう人たちにお金を気前よくあげるのです。私もその習慣が身につきました。
あるムスリムの友人は、「これからラマダン(断食の月)だから良いことをさせて」と言いながら、私にご飯をご馳走してくれたことすらあります。
助け合う国に来て感じたこと
マレーシア人は世界的によく寄付をする人たちなんだそう。
しかも見知らぬ人を助けることが多いという調査結果があります。