桃山商事の恋バカ日誌

モラハラ、セックスレス、精神的浮気…それでも夫と別れない理由

「失恋ホスト」として数々の恋愛相談を受けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」の3人が、さまざまな角度から恋バナ談義を繰り広げるこの連載。今回から、「別れない理由」をテーマにお送りします。猫が引き止め役になっているケースや、別れるという選択の自由がないケースまで、「別れたいんだけど、別れることができない」事情を紹介していきます。

猫はかすがい

【登場人物】

清田隆之
桃山商事・代表
1980年生まれの文筆業

森田雄飛
桃山商事・専務
同じく1980年生まれの会社員

ワッコ
桃山商事・係長
1987年生まれの会社員

清田 桃山商事の恋バナ連載、今回のテーマは「別れない理由」です。

ワッコ あまり聞いたことのない言葉ですよね。

森田 恋人との関係がうまくいかなくなったときとかに「別れる理由」は考えることがはある。けど、「別れない理由」を考えることはあまりないよね。

清田 ニッチなテーマだとは思うんだけど、そこに光を当ててみるといろいろ見えてくるものがあるのではないか。

ワッコ これぞNEO恋バナって感じのテーマですね!

森田 じゃあ、早速エピソードを紹介していきます! これは失恋ホストに来てくれた女性の話で、彼女は半同棲状態をしている彼といろいろうまくいっていなくて、「別れたいんだけど、別れることができない」と悩んでいた。なぜ別れられないのか理由を聞いたら、「猫」だと言っていて。

ワッコ 猫ですか?

森田 彼は実家の敷地内にあるアパートに住んでいて、猫を飼ってたんだって。彼女も子猫の時から知っていて、飼い主同然のように世話をしていたから、すごくなつかれていた。彼と別れることは、その猫にも二度と会えなくなるということだから、それがとにかく受け入れがたいと。

ワッコ 人と違って、彼と別れちゃったら連絡の取りようがないですもんね。

森田 猫泥棒でもしない限り、絶対無理なんだよ。

ワッコ 物騒な(笑)!

清田 別の猫を飼えばいいって話でもないしねえ。

ワッコ その猫がかわいいんですもんね。

清田 話を聞く限り、彼の方は、彼女の別れたいという気持ちにも気づいてなさそうだった。

ワッコ そうですか……。

森田 彼は、猫が引き止め役になってくれているとは夢にも思っていないだろうね……。

ワッコ 実は猫のおかげで続いているのに!

森田 よく「子はかすがい」っていうけど、「猫はかすがい」になっているんだよね。子どもと猫を一緒にするなと言う人もいそうだけど、何を大事に思うかは人それぞれだから。

清田 でも、これってなかなか人には話しづらい悩みかもね。「だって猫でしょ?」とか言われてしまいそうだし。

森田 そうなんだよね……だから彼女も我々のところに相談に来たんだと思う。ちなみにこのエピソードは「恋愛の外野」という回でも紹介しています。

子育てという戦場で

清田 もちろん「子はかすがい」の話もよく耳にする。とある30代の女性は、「夫との関係は、もはや子育てをするための戦友のような関係に変わってしまった」と言っていた。夫婦の間では必要最低限の会話しかなく、セックスも彼が拒否するので長いことしていない。けど子どもは両方に懐いてるから、離婚するわけにはいかない、と。

森田 きっと家族としてはうまくいってるんだろうね。「戦友」というのはつまり二人で子育てという戦場を渡り歩いてるってことだから、家事も協力してやっているんだろうし。

清田 でも、夫婦としては完全に詰んでいる。彼女は、「夫は特に問題意識を抱いていない」とも言っていた。

森田 子どもが生まれた時点で、彼の中では自分の役割が「親」に切り替わっちゃったのかもしれない。「夫」としての役割を徐々に放棄していった可能性もある。シングルタスク的に「夫なら夫、親なら親」って感じになってしまう部分もあるのかもしれない……。

ワッコ お互い納得してればそれでいいと思うんですけど、彼女は全然納得してないですもんね。辛いですよ。

森田 勝手に切り替えないでほしいよね。

ワッコ 「子はかすがい」の話は私の周りにもありますね。大学の友人で、夫からひどいモラハラ受けている人がいるんですよ。その夫は家事や育児に全く参加しないうえに「お前は一生ニコニコしながら家事だけやってればいい」と友人が仕事に復帰するのも許さない、かなりヤバめのモンスター男で。

森田 それは凶悪だな……。

ワッコ 友達はみんな心配して、辛かったら別れてもいいんじゃないかと言っているんですけど、彼女は「子どもがいるから」と別れない。しかも彼女の場合、夫の転勤でニューヨークに住んでいるんですよ。

清田 そうなんだ……。

ワッコ 今は仕事を辞め、友達も親もいないニューヨークで2人の子どもをワンオペで育ててるんです。そんな状況で、夫からモラハラをされる度に「熟年離婚、熟年離婚」という呪文を唱えているらしいです。

清田 あと20年耐えれば……みたいな。辛いね。

ワッコ 熟年離婚という言葉が、毎日を生きる糧になっている。

清田 その状況だと、自分の力で抜け出すのがすごく難しいよね。しかも周りに頼れる人もいない。

森田 弁護士案件だよね。

ワッコ 彼女は「夫のモラハラ発言を録音しておけば離婚したときに証拠になる」と思って、ずっと録音を続けていたんですけど、子どもがその携帯を投げて壊してしまって……。

清田 えっ!!!

ワッコ 携帯に入っていた録音も、全部消えちゃったみたいなんです。でも自分のお金では買い直せない。「夫のモラハラを録音する携帯も、夫に買ってもらわなきゃいけない」という現実がすごく屈辱的だったと言ってました。

森田 悔しいだろうね……。彼女の「別れない理由」は、「子どもとお金」になるのかな。

ワッコ そうですね。お金がないと、別れたとしても子どもを養っていけないっていうのが切実な問題なのかも。

牢屋のような結婚生活

清田 今の話とちょっと似てるんだけど、少し前に失恋ホストに来てくれたある女性が、自分が夫と離婚できない状況を「牢屋」と表現していた。

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森田雄飛(桃山商事) /清田隆之(桃山商事) /ワッコ(桃山商事)

2001年の結成以来、「失恋ホスト」として1000人以上の男女から恋のお悩みやエピソードを聞き続けてきた恋バナ収集ユニット「桃山商事」がお届けする、新感覚の恋バナ談義。普段ほとんど語れることのない恋愛の様々なテーマを毎回ひとつ取り上げ...もっと読む

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コメント

34colorchoice79 胸にくるな。。結婚できる気がしない。。 25日前 replyretweetfavorite

msmsm_msm |清田隆之(桃山商事) @momoyama_radio https://t.co/Cixi2piqM5 専業主婦は経済力を奪われ、家事をしない夫は生活能力を奪われ、互い… https://t.co/QQ1CmOBIfi 26日前 replyretweetfavorite

yukkotoy https://t.co/UhlTtbkXOY 26日前 replyretweetfavorite

hii1969 「牢屋」に入っちゃってる女性、多そうだね。: 26日前 replyretweetfavorite