クレーマー撃退法

第10回】パロマ/事故を風化させぬよう研修用の展示室を設置 ガバナンスも強化

【ピンチをチャンスに変える攻めのクレーム対応②】
苦情は宝の山というが、実際にはクレームに対処するのが精いっぱいで、それを宝に換えるのは難しい。クレームから学び、ビジネスに生かしている企業の実例を紹介する。

 名古屋市にあるガス器具メーカー、パロマの本社。最上階の7階に、社内研修用の特別な展示室がある。「失敗からの学び」と名付けられたその施設は、2017年7月14日に開設された。

 そのちょうど11年前の06年7月14日、パロマの小林弘明社長(当時)は、同社の瞬間湯沸かし器で一酸化炭素中毒による死亡事故が相次いでいることを受けて記者会見を開いていた。20年余りの間に15人もの死亡者(14日時点での情報)が出ていたにもかかわらず、小林社長は「製品自体に問題はなく、修理業者などによる不正改造が事故の原因」と責任回避の発言に終始。企業イメージは大きく損なわれ、パロマはマイナスからの再出発を余儀なくされた。

 「あの日から10年余りたち、社員もだいぶ入れ替わった。若い社員の中には事故のことを知らない者もいる。このまま風化させることなく会社の財産として語り継がなければならない」(丹羽利行常務執行役員)

 そんな思いからつくられた特別展示室内には、事故を起こした瞬間湯沸かし器の実物や当時の新聞記事など、目を背けたくなるものがあえて展示されている。失敗から学ぶためだ。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

週刊ダイヤモンド 2019年2/16号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2019-02-09

この連載について

初回を読む
クレーマー撃退法

週刊ダイヤモンド

店員に土下座を強要する、同僚に暴言を吐く、SNSに悪評を書き込む。そんなモンスタークレーマーが急増している。理不尽な要求を突き付けられ、精神的に参ってしまう人も少なくない。人手不足に悩む企業にとって、モンスタークレーマーは生産性を低下...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード