「いつもその社員のことばかり考えてしまう」。社会保険労務士の村田淳氏が事務所を開いて一番初めに受けたのが、モンスター社員に悩む経営者の相談だった。
話を聴くと、どうみても社員に非がある。しかしどう対処してよいか分からず大きなストレスとなっていた。気付くとその社員のことばかり考えていて、仕事が手に付かないのだという。心理学を学んだ村田氏には、いかにそれが深刻な問題なのかよく分かった。
それ以来、村田氏の事務所では「モンスター社員対策ならお任せください!」とうたって、積極的に相談を受け付けてきた。「ここ半年くらいで相談が増えている」と村田氏は言う。
モンスター社員の問題は、単に職場の空気をかき乱すだけにとどまらない。経済的な損失ももたらしているからだ。まず、モンスター社員は全く戦力にならないので、その分のコストが無駄になる。月給30万円なら人件費としては45万円程度がどぶに捨てる計算になる。また、先述の経営者のようにモンスター社員のせいで自分の仕事ができなくなると、その人が生むはずだった利益を逸することになる。嫌気が差して周りの社員が辞めてしまった場合、新たに人を採用するための費用も掛かる。一人のモンスター社員がもたらす損失額は「ざっくりだが月100万円くらいになるのではないか」(村田氏)。放置しておくにはあまりに大きな損失だ。
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