「昔は悪質なクレーマーへの対策だけやっておけばよかった。でも今は相手が普通の人なので、どう対処したらいいのか分からない」
ある小売企業のクレーム担当者はそう悩みを打ち明ける。
クレーマーは大きく三つに分類できる。正当な要求や苦情を訴えるホワイトゾーンの人、詐取や恐喝まがいの手口で金品をかすめ取るブラックゾーンのプロの人、その中間に位置するグレーゾーンの人だ(下図参照)。
今、グレーゾーンのクレーマーが急増している。そのほとんどはごく普通の人なのだが、正当な要求を訴えるホワイトゾーンの人とは違って、たまっている鬱憤を晴らしたりするために理不尽な要求を繰り返すのが特徴だ。中には要求がエスカレートして、あわよくば金品をせしめようとする人もいる。
「普段ストレスをためている人が何らかのきっかけで爆発すると、厄介なグレーゾーンのクレーマーになる」
企業のクレーム対応をサポートするエンゴシステム代表取締役の援川聡氏はそう分析する。
怒りの感情は吐き出させると
クールダウンする
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。