クレーマー撃退法

第2回】「普通の人」が豹変! モンスターが襲う恐怖の現場

一昔前はモンスタークレーマーといえば金品を要求するプロのクレーマーだった。しかし最近では、「普通の人」がモンスター化している。恐怖の現場体験をまとめた。

【ホームセンター】
「この店員を辞めさせて」
客の虚言に屈した上司に見放された部下の失意

 午後2時、ホームセンターの電話が鳴った。現場責任者が電話に出ると、相手の男性はすごいけんまくでまくしたてた。

 「うちの妻がおたくに水槽のフィルターを買いに行ったら、店員に万引き扱いされたそうじゃないか」

 店舗ではその女性に接客した店員探しが始まったが、“万引き扱い”に心当たりのある者がいない。「ひょっとして私ではないか」と名乗り出たのはMさんだった。

 その1時間ほど前、Mさんは確かにそれらしい女性の接客をした。フィルターの空箱を渡され、「この商品はありますか」と尋ねられた。Mさんはまず棚を探し、在庫も探したがなかったため、「お時間を頂ければお取り寄せしますが、いかが致しますか?」と提案。女性は「いえ、いいです。すぐに使いたいので他を探してみます」と答え、接客を終えた。もちろん、万引き扱いなどしていない。

 現場責任者とMさんは、客の家を訪問した。客の主張は、空箱を渡したときに万引きを疑われたというものだった。

 「接客をしたのはこちらの従業員で間違いないでしょうか」と責任者が聞くと、「この方かどうか顔をよく覚えていません」と女性は言う。しかし夫は「人を泥棒扱いするとは何事か」と激高している。

 虚言なのか、他にそんな対応をした従業員がいたのか。2人は取りあえず、「このたびは不快な思いをさせて申し訳ございません。上長にも相談して対応致します」とお辞儀をした後、店に戻った。

翌日に前言を撤回した客

 翌日、その夫婦が来店し、現場責任者とMさんを呼び出す。すると今度は女性がMさんを指さし、ヒステリックな口調で、「この人に空箱を渡したら『これは中身が入っていませんね。泥棒したんじゃないですか』と言われた。この人だけは店に置かないで。転勤させて!」と現場責任者に迫ったのだ。夫も、「なぜ泥棒と言った? まだ真意を聞いてないぞ」と詰め寄る。

 前日、女性は顔を覚えていないと言った。つじつまが合わない。Mさんは前日のやりとりを説明したが、女性は否定し、夫はうそをつくなと責め立てる。こんなとき、現場責任者は毅然としてMさんをかばうべきだ。しかし現場責任者は気が動転したのか、「Mさん、どうだったんですか。真意をお客様に話してください」と言った。モンスタークレーマーに屈してしまったのである。最終的には警察が介入してクレームは取り消されたが、上司に裏切られたMさんの失意は大きかった。

【写真館】
スタッフに難癖をつけ写真をただで持ち帰り
“確信犯”のモンスター

 その女性が都内の写真館を訪れたのは、妊娠中のことだった。妊娠してから子どもの1歳の誕生日までの間に合計4回撮影してそれをアルバムにまとめるプランを利用したいという。早速撮影に入ったが、とにかく要求が多い。通常は30分程度で終わるが、何回も再撮影したため1時間もかかった。

 2回目以降もトラブルは続く。

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週刊ダイヤモンド 2019年2/16号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2019-02-09

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店員に土下座を強要する、同僚に暴言を吐く、SNSに悪評を書き込む。そんなモンスタークレーマーが急増している。理不尽な要求を突き付けられ、精神的に参ってしまう人も少なくない。人手不足に悩む企業にとって、モンスタークレーマーは生産性を低下...もっと読む

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