日本とマレーシアの大きな違い、それは「街中で他人を見ている人が多いか、少ないか」かもしれません。
久々に日本で街に出ると、「他人を観察している人が多い」と感じます。
これはいい面でもあります。おかげで電車の中は静かで清潔ですし、ゴミのポイ捨てなんてとてもできる雰囲気ではありません。
一方で、これが「息苦しい」と感じる人もいます。
うっかり電車の中で携帯電話などで話していたら、睨まれてしまうかも知れません。子供達はお行儀よく躾けられ、親は申し訳なさそうに公共交通機関を利用していたりします。
公務員が業務中にコーヒーを飲んでると怒って通報されることもあるそうです。
障害者が特別な配慮を受けていることに怒る人もいます。
「ズルイ」というわけです。
「ズルイ」の少ないマレーシア社会
マレーシア人は寛容と言われますが、この寛容さは「他人をあまり見ていない」ことと関係がある気がします。
先月、旅行博で有名女優の付き人をしたのですが、人混みをサングラスなしで歩いているのに、全然気づかない人がほとんどで驚きました。
電車の中で携帯で話す人は普通。コンビニの店員さんもしゃがんでスマホやってたりします。
子どもを置いて旅行に行ったり、家で料理をしない主婦がバッシングされることはありません。
マレーシアにはマレー系、中華系、インド系の3大民族がいますが、実は意外にお互いのことを知らないです(一方で、宗教的なことや人種差別は問題になることもあります)。
そもそも、見なければ腹も立ちません(この他人を見ていないことと、助けないことは違うのですが、これは次回に書きます)。
「迷惑をかけてはいけない」と思いすぎるとどうなるか
なぜ日本では「ズルイ」となるのか。
多分ですが、多くの人に、「迷惑をかけてはいけない」「真面目に働かなければいけない」「全員同じことが努力でできるはず」という強い規範意識があるのではないでしょうか。
学校での「Aくんは掃除をサボってて、いけないと思います!」がまだ行われてるんじゃないかな、と。
それ自体はいいことでもあり、マレーシアはこの規範意識を日本から学ぼうとしてます。
ただし、規範意識、行き過ぎると息苦しくなるんです。
「人に迷惑をかけちゃいけない」って思って生きていると、本当に何もできなくなるのです。
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