「ウエディング・パーティー(Wedding Party)」というと、日本に住んでいる人は結婚披露宴のことだと思うかもしれない。けれども、英語では披露宴は「ウエディング・レセプション(Wedding Reception)」で、結婚式は「ウエディング・セレモニー(Wedding Ceremony)」なのだ。
では、「ウエディング・パーティー」とは何のことなのか?
ここでのpartyは、「宴会」ではなく「関係者」を意味する。そこで、ウエディング・パーティーは、結婚式(披露宴ではない)で重要な役割を果たす人々とその集団のことになる。つまり、結婚式で重要な「仕掛け人」のようなものなのだ。
今回は、アメリカの結婚式に不可欠なこの「ウエディング・パーティー」について説明しよう思う。
ウエディング・パーティーのメンバー
まず、伝統的な「ウエディング・パーティー」には花嫁側と花婿側の2つのグループがある。それぞれの構成メンバーは次のとおりだ。
私と夫の結婚式での小さな「ウエディング・パーティー」。左から姉、ブリュッセルから飛んできてくれた友人、真ん中の弟の最初の妻、私、夫、夫の真ん中の弟、夫の一番下の弟、夫の大学時代の親友
花嫁側
① メイド・オブ・オナー:花嫁が最も頼りにする親友か姉妹。古い伝統では未婚の女性のみ
② ブライズメイド:花嫁の友人や姉妹。古い伝統では未婚の女性のみ
花婿側
③ ベストマン:花婿が最も頼りにする親友か兄弟。古い伝統では未婚の男性のみ
④ グルームズマン:花婿の友人や兄弟。古い伝統では未婚の男性のみ
ところで、伝統的なウエディングでは先に書いたように、花嫁側のブライズメイドは女性で、花婿側のグルームズマンは男性と決まっている。
グルームズマンよりも重視されるのがブライズメイドだ。結婚式当日には花嫁の準備を手伝い、花嫁の登場の前にグルームズマンと一緒にヴァージンロードを行進する。多くの女友だちの中から選ばれるのだから「特別な友だち」というお墨付きをいただくことになり、選ばれなかった友だちが傷つくこともある。ブライズメイドが多いほど豪華な結婚式の印象もあるらしく、そう仲良くない人を選んだりする花嫁もいるようだ。通常は、花嫁が選んだブライズメイドの数にあわせて新郎がグルームズマンを選ぶ。
ブライズメイドはお揃いのドレスを着ることになっているのだが、主役の花嫁が、自分が目立つような色やスタイルを選ぶことが多い。自分には似合わないドレスを着させられるブライズメイドと花嫁が衝突して仲違いしたり、結果的に「結婚式が終わったら二度と着ない」不格好なドレスになったりすることでも有名だ。
最悪のブライズメイドのドレスをまとめたサイトもかなりあって笑える。