カレー沢薫
あの山にチョコレートを掛けたらさぞ美味かろう【佐賀県・ブラックモンブラン】
無職の漫画家・カレー沢薫氏が「部屋から一歩も出ずに全国津々浦々の食い物を手に入れ、部屋から一歩も出ずに食う」試み……それが「ひきこもりグルメ紀行」! 今回のテーマ食材は佐賀県の「ブラックモンブラン」です。アイスの当たり棒を握りしめて店頭へ駆け出したい。気を抜くとそんな風に童心に返ってしまう中年の心を超おもんぱかるお菓子です。美味い&やさしい……。
当連載は、発達した通販文化を駆使して部屋から出ずに全国津々浦々の食い物を手に入れ、部屋から出ずに食おうというコンセプトである。
しかし今回は近所のスーパーで売っているものが、遠路はるばるクール宅急便でやってきた。 その名も「ブラックモンブラン」である。
九州の人には言わずと知れたソウルフードなのだが、実は九州だけではなく私の地元山口県でも売られている。福岡と広島に挟まれ、人々の記憶からバニシングされている山口県だが、九州圏のモノが割と売られているという恩恵もある。広島まで行くと「広島文化」という強い奴がいるので、九州がそこまで入り込めない。個性が薄すぎるところが功を奏した。 よって「ブラックモンブラン」は幼少期より親しみのある食べ物だ。
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ひょっとしてクレムリンが恋しくなってきた頃では? カレー沢先生、10周年おめでとうだニャ。
この連載について
カレー沢薫
「ひきこもりグルメ紀行」とは、無職の漫画家・カレー沢薫氏が「部屋から一歩も出ずに全国津々浦々の食い物を手に入れ、部屋から一歩も出ずに食う」試みである!
著者プロフィール
1982年生まれ。OL兼漫画家・コラムニスト。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビュー。自身2作目となる『アンモラル・カスタマイズZ』(太田出版)は、第17回文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦作品になぜか選出され、担当編集ならびに読者が騒然となった。雑誌『Hanako』(マガジンハウス)をはじめ多くの連載を抱え、日々、Twitterでのエゴサーチと読者交流を欠かさない。単行本発売後、文庫化もされた初のコラム集『負ける技術』(講談社)が続々重版中。