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幡野さん、こんにちは。
友達や知人には少し相談しにくい性についてのことを相談させてください。
私は36歳で、39歳の夫と4歳の娘がおります。
娘を妊娠しているときに軽度の子宮頸がんが見つかり、出産後に子宮頸管を一部切除、2年後に再発し再度子宮頸管の切除手術を受けました。その後、経過観察となっていましたが、最近また異常が見つかり、詳しい検査結果を待っているところです。
今回の結果が悪ければ、恐らく子宮全摘になるだろうと医師からは言われています。
子宮がなくても、2人目を産めなくても、命があればいいじゃない!という、よくある前向きな励ましは重々わかっていますが。。
最初の手術の頃から、夫との行為は数えるほど。私は拒んだことはありませんが、夫の優しさと恐怖心からかEDになったと言われました。
とはいえ、風俗情報の検索履歴が残っていたり、よその女の子と仲良くしていたり、SNSであからさまにエッチな女の子を探していたり。
男性からすれば大したことじゃないし「それくらい許してやれよ」という内容だと思いつつも、なんだ、結局は家庭内EDじゃないかと落ち込むのです。
子宮の手術を受けたことで、女としての劣等感を感じてしまい、どうも卑屈に捉えてしまいます。1年ほど前に、あからさまなことは止めてほしいと伝えていたのですが、やっぱり人は変わらないものですね。
この先、子宮を失ったらますます夫に対して、自分に対して卑屈になってしまいそうで不安です。
とはいえ、性生活のことをのぞけば夫婦仲は円満だしまあいいっか!と、ここは寛大になるべきでしょうか。夫にデリカシーを持てというのは酷でしょうか。。
(ゆう 36歳 女性)
ガンが再発するというのは、地の底を一人で歩くような、絶望感や孤独感がおそってきて、とてつもない恐怖であるということは知っています。検査結果を待つ時間が不安にのみこまれそうになるものわかります。
言葉で表現すれば不安のひとことですけど、この不安は不安界の四天王のような不安です。ぼくには再発の経験はありませんが、再発経験者の話を聞いたうえで想像力を働かせれば、ある程度理解できます。
男性と女性で認識が違うように、病人と健康な人にも認識の違いはあります。その認識の違いから「命があればいいじゃない」「また治せばいいじゃん」「がんばれ」こういったよくある前向きな励ましをされることに、あなたが嫌気をさしているのもよくわかります。
子どもをつくる能力を病気によって失うと、なんというか、自分が役に立たない人間であるとか、ダメな人間なんじゃないかとか、家族にたいして申し訳ないとか、劣等感をかんじますよね。これは女性患者さんも男性患者さんもおなじです。
その劣等感が原因で10代から30代の若いガン患者さんのおおくが、恋愛や性のことで悩むということも知っています。
ガンという病気はどんな病気ですか?ってぼくはよく聞かれるのですが、いろんなガンがあり、それぞれが専門性の高い病気なので、ひとことで説明することはとても難しいです。
だからぼくは、「心を崩す病気です」と答えています、これはどんなガンであれ共通していることです。
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