「知ってる人」は「(一方的に)知ってる人」の意味
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
以前、中島さん(仮名)という女性に、ある人の話をしていたら、「それ、知ってる人」って言うんです。その「ある人」はちょっとした有名人と言いますか、その業界の中ではみんな知っている人で、でもよくメディアに出ているわけではなくて、東京の閉じた世界の中で目立つ人なんですね。
で、その人はbar bossaの常連なんです。だから中島さんに、「え? その人、よく来店しますよ。うちのこともSNSで書いてくれたりしてますよ」って言ったんですね。そしたら中島さん、「そうなんですよね。ボッサにも来てるみたいですよね」みたいなことを言うので、その人と仲が良いんだなと思ったんです。
それから2、3ヶ月後、その人が来店したんですね。色々と話してて、「あ、そうだ。こないだ中島さんがいらっしゃったんですけど、」って言ったら、その人は中島さんのことを全く知らないんです。「こんな髪型で、こういう仕事してて、あの大学出てて」って感じで色々説明しても、全然知らない人だと言うんですね。
で、その人が言うには「そういうことってよくありますよ。きっとその女性、僕の知り合いの知り合いだったりするんです。だから、僕の噂をよく聞いているんです。SNSもフォローして、僕の生活もよく知ってる。それでもう知り合いみたいな気持ちになってて、こういう場所でなんとなく知り合いみたいなことを言ってしまうんです。僕は覚えてないんだけど、『一緒に飲んだことある』みたいなこと言ってる人も、いっぱいいるみたい」なんだそうです。