第9回】国内設備余剰に追い打ち ~シェールが誘う石化革命

従来の石油化学不況に加え、シェール革命が新たな脅威となり、化学各社は設備廃止を決断した。一方、安価な原料を求め米国での事業展開も本格化している。日本の活路はどこにあるのか。

 今年の3月、日本の石油化学業界が注目するニュースが飛び込んできた。出光興産と三井物産が、折半出資で米国に合弁会社を設立し、2016年に石油化学工場を新設するというのだ。

 製造・販売で提携するのは米国最大の化学メーカー、ダウ・ケミカル。総投資額は数百億~1000億円に達するもようだ。安価なシェールガスから化学製品を作る、日本企業初の大型案件である。

 「石油化学産業で、これだけ安価な原料がしかも大量に出現することこそが、まさに革命」と児島大司・三井物産スペシャリティケミカル第一事業部長は熱っぽく語る。

 天然ガスに含まれるエタンから作られるエチレンは、さまざまな化学製品の基礎原料だ。価格は日本勢が石油由来のナフサから作るそれの、4分の1~5分の1。このプロジェクトでは、ダウからエチレンを製造原価に近い価格で調達し、合成樹脂や洗剤などに使う中間製品を生産する。製品の一部をダウに供給することで、安定操業できるのが最大の強みだ。

 安価なシェールガスを求めて米国進出を模索するのは出光・三井連合だけではない。

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シェールが起こす3つの革命 ~シェールは世界の何をどう変えるのか

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米国発の「シェール革命」が世界を揺るがしている。大量の“金脈”の誕生で、米国は新たな存在感を際立たせ、世界のエネルギー資源をめぐる既成概念を破壊しつつある。一体、シェールは世界の何をどう変えるのか、日本は大きな変化にどう対応すべきなの...もっと読む

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