第2話 韓流のアメリカ

文学の世界では何が起こっているのか。世界の中で文学はいまどのような位置にあるのか。国境、人種、ジェンダーなどさまざまな枠組みが大きく変わりつつある21世紀にあって、文学はどのように変わろうとしているのか。翻訳家として、研究者として、教育者として、世界文学の最先端と日々向き合っている都甲幸治さんが「21世紀の世界文学」をさまざまなトピックから紹介してゆきます。
ドラマに見る韓国とアメリカの距離感とは?

いきなりの韓流ブーム

いきなりの韓流ブームである。ついに僕のところにも来た。いやあ、こんな日が来るとは思わなかった。きっかけはAmazon Fire TV Stick購入で、まあなんとなく、テレビにも飽きてきたし、Amazon Primeでいろいろ無料で見られるみたいだし、ちょっと挑戦してみるか、という低いテンションでのオンデマンドデビューである。やることはと言えば、送られて来たスティックをテレビのHDMI端子に差すだけだ。

 で最初に見た『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』でいきなりハマった。次が気になって気になってしょうがなくなった。何がそんなに面白かったのか、という話だが、今思えば、アメリカとの距離感だと思う。

 コン・ユ扮する朝鮮時代の将軍が連戦連勝して国民の期待を一身に集めるようになる。これが若き王には気に入らない。嫉妬に駆られた彼は、妻である将軍の妹を殺し、将軍も謀反の汚名を着せて殺してしまう。だが激しい無念の思いは彼を最強の鬼神であるトッケビに変化させる。そして王はひとたまりもなくやられる。

 さて、千年の時が過ぎ、それでもトッケビは生き続けている。死んで塵に返るためには、胸に刺さった剣を本当に愛してくれる女性に抜いてもらわなければならないのだ。そして出会ったのが、女子高生のチ・ウンタク(キム・ゴウン)だ。だが彼女には弱点があった。

母親のお腹の中にいたとき交通事故に遭い、トッケビの気紛れで助けてもらう。だがそんなことが横行しては世界のつじつまが合わなくなる、という理由で死神(イ・ドンウク)に付け狙われる。果たして彼女は無事トッケビの剣を抜けるのか、あるいは彼女のほうが先に死後の世界に連れて行かれてしまうのか。

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世界文学の21世紀

都甲幸治

現在、文学の世界では何が起こっているのか。そして世界の中で文学はいまどのような位置にあるのか。国境、人種、ジェンダーなどさまざまな枠組みが大きく変わりつつある21世紀にあって、文学はどのように変わろうとしているのか。翻訳家として、研究...もっと読む

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コメント

sans__sens 都甲幸治 2019年10月6日 12ヶ月前 replyretweetfavorite

chogiyo 「三食ごはん」めっちゃ観たくなった(^_^;)。 12ヶ月前 replyretweetfavorite