アメリカでも有効な『根回し』とは?

婚約を決めた娘のアリソンが「ウエディングは自宅でする!」と言い出し、はじまった自宅での手作り結婚式。ふつうの住宅街で結婚式をする際問題になるのが、騒音です。ご近所づきあいを損なわないために、みんなが出し合って決めたアイデアとは?

前回のお猪口のアイディアもウエディングの戦略会議から飛び出したものだが、他にもミーティングをしたことによって生まれたアイディアは数多い。

結婚式による騒音問題についてもミーティングで話し合った。

アメリカでは、地域によって騒音や家の外装などに関する厳しいルールや条例がある。たとえば、私たち夫婦が30年前から別荘を持っているナンタケット島では建築様式や使えるペンキの色にまで制限がある。マクドナルドなどのチェーン店は島で出店することを許されておらず、島にある有名な高級レストランや服飾店でさえ、店名を掲げるのに使えるのは19世紀から使われている木製の手彫り標識の「クウォーターボード」だけだ。また、居住区で夜中に大きな音楽を流したり大声で騒すのはご法度であり、そんなことをしたら近所の人が警察を呼ぶ。


ナンタケット島で許されている看板は、職人が手作りした木製のクウォーターボードだけ。

娘が結婚式をするのは島のほうのわが家ではなく、アメリカの独立戦争が始まった歴史的な町であるレキシントンである。ナンタケット島ほどではないが、全米一般よりは厳しい。わが家の周辺はもともと森だったこともあり、1950年代にMITの教授たちが住居として計画的に開発したとき、町の条例で一軒の敷地が最低3000平方メートルに定められた。そのためにお隣との距離があるとはいえ、音は遠くまで届くものだ。120人以上が集まれば、ただお喋りするだけでうるさいだろう。

けれども、ミーティングに参加した全員の意見が一致したのは、「結婚式の場合には、たいていの人が騒音でもおおらかに見過ごしてくれる」ということだ。特に、あらかじめ知っていたら苛立つこともないだろう。

そこで、ご近所に「●月●日にウエディングをして、騒音や道路駐車でごめいわくをおかけします」という通知をすることにした。

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まさかの自宅ウエディング

渡辺由佳里

娘のアリソンが長年のボーイフレンドのベンと婚約を決めた。と思ったら、「ウエディングは自宅でする」と言い出してパニックに陥ってしまった渡辺由佳里さん。自身の経験から結婚式にトラウマも抱える渡辺さんとその家族の1年にわたる「手作り結婚式」...もっと読む

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コメント

juni_ca_wa_ii こういう気遣いが人を繋ぐんですよなあ。忘れないし、何かの時にお手伝いできないかな?と考える。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

yaki_nori 相手に負担をかけない事前のスモールギフト、素敵だな。 2ヶ月前 replyretweetfavorite

sasamichiaki 人の心って柔軟なんだなぁと思えるお話。根回しって要はコミュニケーション力なのでしょう。 3ヶ月前 replyretweetfavorite