発信しないと知られず、やってないのと同じ」森美術館がSNSを使う意義

森美術館のSNSを運用する洞田貫晋一朗さんの著書『シェアする美術』からの連載も今回で最後。洞田貫さんはSNSを運用する最大の理由を「知ってもらうこと」にあると語ります。なぜなら、展覧会が知られていないことは、開催されていないことと同じだからです。そして、中の人ができることはまだまだあり、予算や人員が足りない美術館(や企業)にこそルーティンで運用できるSNSを始めてほしいと訴えます。最後に、洞田貫さんからのメッセージをお届けします。

「中の人」にできることはまだたくさんある

2003年に六本木ヒルズが開業し、美術館が街の象徴として森タワーの最上層に置かれました。いまでは森美術館以外にも、サントリー美術館(2007年、東京ミッドタウンに移転)、国立新美術館(2007年オープン)をはじめ、たくさんの美術館やギャラリーが六本木に集まってきています。

森美術館だけでなく、六本木全体のアート情報やイベント情報を発信できるようになると、よりユーザーに有益なアカウントになると思います。森美術館をフォローしておけば、六本木のアートシーン、ひいては東京のアートシーンがわかるよね、と思ってもらえるようなアカウントになれば理想的です。

しかし、いま隆盛のSNSでも、いずれどこかで違うSNSに切り替わっていくのではないかと考えることもあります。いま以上のSNSのやり方を目指していくなら、枠を飛び出して、次の新しいものを研究していく。その準備をしておくことこそが、進歩と変化が速いデジタルマーケティングの世界で適応していく、唯一の方法なのかもしれません。

欲をいえば、東京だけでなく、世界中の美術館とつながっていくことができたら最高です。

たとえば、「プール割り」で協力してくださった金沢21世紀美術館。そして、瀬戸内海の直島にある地中美術館。距離こそ離れているものの、この2館とは開館時期が近く、現代アートの美術館という共通項もあって、近しい存在だと思っています。

3館とは「ミュージアムリンク」という協力関係を結んでおり、入場料の割引や、プレゼントがもらえたりするスタンプラリーも行っています。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

2018年の美術展覧会「入場者数」1位・2位を獲得した秘密がここにある

この連載について

初回を読む
シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略

洞田貫晋一朗

森美術館のSNS運用を手掛ける洞田貫晋一朗さんの著書『シェアする美術』から、全12回にわたって連載形式で本の中身を紹介します。国内の美術館では随一のフォロワー数を誇る森美術館ですが、そこに至るまでにどんな工夫がなされてきたのでしょうか...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Isbn978_gst 本日の「現代芸術概論」のゲスト講師、洞田貫氏の記事  #森美術館 #現代芸術 #先端芸術表現科 約1年前 replyretweetfavorite

AkaneSyuiro @FREEpopochi 関係する、大変いい記事が、今日ちょうどアップされました。1週間は無料で読めると思います。 約1年前 replyretweetfavorite