ヤマトタケル、熊襲を討つ
景行(けいこう)天皇は二番目の皇子・オウス(小碓尊=日本童男※やまとおぐな)を遣わして熊襲(くまそ)を討たせました。
オウスは、熊襲の首長で名をカワカミタケル(川上梟帥)という者が一族を集めて開いている新築の宴に、髪を垂らし少女に変装して潜り込みました。
カワカミタケルは美しいオウスの手を取って隣に座らせて酒を勧め、戯れ遊びました。やがて、宴の人もまばらになりました。オウスはカワカミタケルが酔いつぶれた機を逃さず、忍ばせていた剣をその胸に突き立てました。カワカミタケルは苦しい息の下、言いました。
「しばしお待ち下さい。あなたはどなたですか」
「私は、景行天皇の子、ヤマトオグナだ」
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。