トッド・ハイド写真展—恵比寿のセレクトショップで、見知らぬ世界へ迷い込む

最新の展覧会をレポートするアート連載。お盆に休めなかった方に息抜きに立ち寄ってほしいのが、恵比寿のセレクトショップ「limArt」内「POST」で展開されている、トッド・ハイド写真展。日本では初めて個展が開かれるというトッド・ハイドの写真は、風景も人物もどこかよそよそしく、しかし心ひかれる緊張感があります。見知らぬ遠い町に迷い込んでしまったような不思議な気分を、仕事帰りに味わってみてはいかがでしょうか?

こんにちは。お盆休みはゆっくり過ごせましたか? 今回は東京で、少し風変わりな場所をのぞいてみましょう。
会場は恵比寿。山手線の恵比寿駅で降りて、駅前の喧噪から逃れるように歩いていくと、白壁の建物が見えてきます。ガラス窓からのぞけば、本がずらりと並んでいる様子。アートブックを中心にしたセレクトショップ「limArt」です。

白い扉を開けて店内に入ると、目の前に一本の巨大な書棚が。美麗な写真集で埋め尽くされています。この一角は「POST」という名義で、別の書店という建て付けになっているのです。

およそ2カ月ごとに、あるひとつの海外出版社を「特集」し、その出版社の本ばかりを置くというしくみ。他の店ではなかなかお目にかかれない本に、大量に出会えます。特集されている出版社が自分の趣味とぴたり合った日には、棚の前からいつまでも抜け出せなくなってしまいそうですよ。

現在の特集は、米国の美術書出版「Nazraeli Press」(ナツラエリ・プレス)です。写真集を専門に出して写真集を専門に出していて、ロバート・アダムスら米国写真の重鎮から、鈴木理策や蜷川実花といった日本の人気写真家たちまで扱っています。

棚には約50点のNazraeli本。一つひとつの品のある佇まいにも惹かれますが、手に取るとその見やすさにも驚きます。ページの開きやすさが抜群で、なかに収められている写真作品をじっくり堪能できます。

どの国や地域にも、徹底的なこだわりを持ってモノづくりに励んでいる人はいるものです。Nazraeliの本はどれも、それ自体がアートピースといっていい完成度と美しさを持っていますね。 しかし、「POST」の展示は、この本棚だけではありません。店の奥には、開けた空間が広がり、ギャラリースペースが設けてあるのです。

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アート・コンシェルジュからの便り

山内宏泰

世に“アート・コンシェルジュ”を名乗る人物がいることを、ご存じでしょうか。アートのことはよく知らないけれどアートをもっと楽しんでみたい、という人のために、わかりやすい解説でアートの世界へ誘ってくれる、アート鑑賞のプロフェッショナルです...もっと読む

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