こうなったらうれしい」と思う目標が力をくれた ─バックキャスティング

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcakesで特別連載!(毎週火曜更新)

「こうなったらうれしい」と思う目標が力をくれた
 ──バックキャスティング

 私の場合、病院の中で「カウンセラー(人を救う人)になりたい」とひらめいたことが、自分でいろいろな行動を起こすきっかけになりました。
 病院で出会った若い男の子も、「自分はカレー屋さんになりたい」という夢を思い出したとたんに、瞳をキラキラさせて将来を語り始めました。
 こんなふうに、未来に実現させたい目標を決め、今やるべきことを考える発想法を、「バックキャスティング」といいます。
 バックキャスティングと対になるものに、フォアキャスティングがあります。フォアキャスティングは「今、私にできることは何だろう?」というのが出発点で、「できることを積み重ねていった→資格が取れた→では就職しよう」というふうに、一つひとつ目標を達成していきます。日本人はこのパターンの人が多いようです。
 バックキャスティングをやるなら、今の自分からは想像もつかないようなことを思い描くことです。一番遠い目標に自分の気持ちを置いてみることです。
 私の場合、「今は精神科閉鎖病棟にいるけど、将来カウンセラーになる」というのがそれでした。
 下園さんの下でカウンセラーの勉強を始め、よりスキルアップしたいと臨床心理士を目指すようになるわけですが、当時はどうしたらなれるかわかりませんでした。
 調べてみると、大学院を出ることが必要だとわかりました。
 大学院に行くには、大学に行かないといけない。
 では私の入れる大学はどこだろう?
 そういうところまで落とし込み、自分でそれぞれの課程を調べていきました。
 どんなにゴールが遠く見えても、たとえば「この職業につきたい」と思ったら、できる方法があるし、それにはどんなことが必要か、調べればわかります。だから何でもできるのではないでしょうか。私はそういうやり方でやってきました。
 今できることを積み重ねていくフォアキャスティングもいいのですが、「自分がこうなったらうれしい」と思える目標を置いて、それに向かっていくのは楽しいし、ブレずに継続する力にもなってくれます。
 あなたもバックキャスティングをしてみてはどうでしょうか。

音符が読めなくても保育士の資格が取れた

臨床心理士になった後、今度は何か国家資格がほしくなりました。自分が興味を持てるものの中では保育士がいいなと思いました。
 調べると、通信教育で勉強してピアノを自分で練習すれば試験を受けられることがわかりました。
 私は音符も読めないしピアノも弾けないのですが、「弾き歌い」の課題になっている歌の音符を拾ってきて、ダウンロードして、ドレミをつけました。Webの動画で原曲を聴いて、指がわからないので番号と字を振っていって、毎日練習を続けました。娘がエレクトーンをやっていたので、それを借りて練習したのです。
 そうやって私は保育士の資格を取りました。
 だから、やってやれないことはありません。年齢制限などがあってできないものは除外するとして、できる道筋があるのなら、あとはやるだけですよね。

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

3万人の自衛隊員の心を救った「行列のできる臨床心理士」が教える、自分思考メソッド。

この連載について

初回を読む
イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ

玉川真里

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcak...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

Tweetがありません