彼女が不倫をしていようが
今井絵理子のインスタグラムをチェックすると、どの投稿にも、不倫した議員にそんなこと言われたくないよとか、男のことしか考えていないんだろ、といったコメントがいくつもついている。より具体的に卑猥なコメントも多い。しかし、別に、彼女が不倫をしていようがいまいが、政治家としての活動とは直接的には関係がない(相手の政務活動費の架空請求は大問題)。「本日は、〇〇部会で議論を尽くしました」といった投稿にも、不倫した女が言うんじゃないと突っ込みが入る。不倫していても、会議で議論を尽くすことはできるし、国会議員になった以上は、尽くしてもらわなければ困る。高校時代からの幼なじみと純愛を育んだ議員が提出した政策だから優遇しよう、なんて思わないのと同じベクトルである。
入閣待機組とバチェラー・ジャパン
彼女が今回の内閣改造で内閣府政務官に任命されたことに驚きつつ、「SPEED出世」と銘打ったニュース記事には、少しの面白みも感じない。「知名度だけで、何もしていない議員が出世!」と「知名度がなく、何もしていない議員が出世!」という議員がいた場合、私たちは後者を放置して、前者を徹底的に叩く。叩かれる前者を横目に見ながら、後者がすりぬけていく。
この世の中にある全ての職業が尊いし、そもそも一個人で経験できる職業は限られているわけだが、自分がもし言われたら恥ずかしくってたまらないと想像できる職業のポジションが「入閣待機組」というやつである。自民党では、衆院当選5回以上、参院当選3回以上なのに閣僚経験がない議員が「入閣待機組」とされる。「お前のとーちゃん、入閣待機組!」とバカにされているお子さんがいるかどうかは知らないが、当選回数が多いものの特に目立った実績がない議員に対して、そのような言われ方が繰り返される。
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