メディアの新序列

超売り手市場でエンジニア採用に高い壁 テック人材争奪戦の内幕

【テクノロジー格差】
「デジタルメディアにとって、技術とはビジネスモデルそのものだ」。国内メディア幹部は言い切る。レガシーメディアもデジタルシフトをさらに加速させている。だがその前途は多難だ。

 ページをクリックすると、トップページいっぱいに当時高校球児だった(現・北海道日本ハムファイターズ)立田将太選手のスローモーション投球映像と「Breaking ball(変化球)」のタイトルが流れた。

 通常の本文記事に加え、関係者のインタビュー動画、音声だけで表現された練習風景に、野球カード風にまとめられた日本人メジャーリーガーの戦績──。2014年7月に日・米の「ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)」電子版に発表されたこのインフォグラフィック(情報やデータを視覚的に表現したもの)を駆使した原稿をまとめたのは、WSJ日本版の西山誠慈編集長と、米国と香港に拠点を構えるテック部隊から成るチームだ。「プロデューサー」としてページ末尾のタイトルロールに名を連ねる多国籍部隊は、このページをゼロから全てコードを書いて作り上げた、JavaScript言語の専門家だ。「記者としてのキャリアも持ちつつ、プログラム技術も身に付けた人材が相次ぎ加わり、この部隊の人数は数年で大きく増えた」(西山編集長)。

 無料のバイラルメディアの台頭とは裏腹に、10年代前半に経営が危機に陥った米国の新聞各社は、インフォグラフィックをはじめとしたデジタル技術にこぞって投資。結果的に日本のメディアが苦戦するデジタルシフトに成功している。

 13年には、米ワシントン州の雪崩事故を動画やCGで表現した米「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」のインフォグラフィック「Snowfall」がピュリツァー賞を受賞。同紙の発行人であるアーサー・グレッグ・サルツバーガー氏は10月、「NYTはすでに“新聞も出すデジタルメディア”になった」と言い切った。

テック人材の獲得競争に負け続け

 日本では2018年、新聞各社のデジタル新規事業のスタートラッシュとなっている。

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週刊ダイヤモンド 2018年10/27号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2018-10-22

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混迷の度を強めるメディア業界は、テクノロジーの劇的な進化によってさらなる変革の波にのまれており、これから数年で業界の序列は大きく変わる可能性が高い。新序列を決めるのは「財務」「テクノロジー」「人事」「待遇」という4つの格差だ。勝ち残る...もっと読む

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