※牧村さんに聞いてみたいことやこの連載に対する感想がある方は、応募フォームを通じてお送りください! HN・匿名でもかまいません。
「いい子にしなさい!」っていうしつけ方、あれ、納得できなかったのよね。わたし、悪い子だから。
だってあれ、「いい子になりなさい」でも「いい子でありなさい」でもないんでしょ。
ただ、「いい子にしなさい」なんでしょ?
とりあえず世間体つくろってる感がすごい。
ってかそもそも「いい子」ってあれ、「(管理者にとって都合の)いい子」って意味でしかないじゃない。「言うこと聞く子」でしょ。みたいなことこうやって自分の頭で考えて疑問を呈する子は、めんどくさい、可愛くない、反抗的だ、って扱いをどうせ受けるんでしょ。ふーんだ。いじいじ。いじけてやる。おれは奴らのいうことを聞かなくったって可愛いんだぞ。めちゃくちゃ可愛くいじけてやるう。
ムラ社会〜。察しの文化〜。共同体〜。
……でもなんか、やっぱさ。あの、いい子っぽい子の愛され感? ムラ社会で察する能力を発揮しながら共同体で生きているように見える正しそうないい子たちのあのハッピー感。なんか、なんか、やっぱ、正しくてさ。ものすごく、正しくてさ。
自分はいい子になれないのに、 自分はいい子であれないのに、 お前らの都合のいい子にはならないぞって決めたはずなのに、 なのに、自分、思っちゃってるじゃん。 「いい子にしなきゃ」って。
いい子にしなきゃ。たとえば……好きだった女の先輩が男と結婚するのを笑顔で祝えるくらいに、いい子にしなきゃ、って。
今日ご紹介するのは、「結婚式に招待されて嬉しかった、なのに……」というご投稿です。
牧村さんこんにちは。いつも牧村さんの温かい文章に励まされ、毎日を生きています。
私はレズビアンなのですが、今月人生初の結婚式に出席することになりました。最初は、招待していただいた事が本当に嬉しくて、しかも大好きな先輩(女性)なのでたくさんお祝いしよう!って思っていました。
でも、式当日が近づくにつれ行きたくない気持ちが大きくなってきています。
もちろん、おめでとうって気持ちはあるし、招待していただいた事も嬉しいのですが、先輩がバージンロードを愛する旦那様と歩いている姿を想像するだけで 自分には先輩みたいな幸せは来ないのではないかと思ってしまうのです。
今は、同性同士でも結婚式はできるし子どもも育てる方法はある事も知っています。でも、もし自分はずっと一人だったら…っていう恐怖が結婚式で大きくなりそうなんです。一人ででも生きていくって覚悟したのに。やっぱり怖いのです。
また一時期、恋愛感情があった先輩だったので本当に平静を装う事ができるかもわからないのです。 ネガティブな相談でごめんなさい。
もし良かったらこの恐怖に立ち向かう勇気をいただけたらと思います。勇気を持って結婚式に臨みたいのです。
長くなってしまいましたが、牧村さんと牧村さんの文章が大好きです。これからも牧村さんのファンでいさせてください!いつも素敵な文章ありがとうございます!
んまあ、素敵な文章。やはりわたしのような天才大文豪の連載の投稿欄にはこのような素敵な文章が集まるのね。ほほほ。わたし、ご投稿のこの一文が特に好きよ。
「勇気を持って結婚式に臨みたいのです」
勇気を持って結婚式に臨みたいのです!
なんていじらしいの。ああ、なんていじらしいの! だって、ね、わたしに要約させていただいてもいいかしら、ご投稿くださったこの方のおっしゃること、こういうことでしょう?
・先輩のことが好きでした。
・でも先輩は私じゃない人と結婚するんです。
・その結婚式にご招待いただいたのだから、私が先輩と一緒になれなかったという感情とか、私があのような幸せを手に入れられないかもしれないという恐怖とかを乗り越えて、勇気を持って結婚式に臨みたいのです。
・勇気をください。
うう。
ごめん!