メディアの新序列

Buzz、HUFFPOST、BIは生き残る? バイラル御三家のカネと内情

【財務格差】
一時期は大手レガシーメディアよりも読まれる記事を配信していたハフポスト、バズフィードなどのバイラルメディアが苦境にある。広告によるマネタイズ手段が縮む中、次の打ち手は。

 「ニューヨーク・タイムズ(NYT)の記事は今、最も多くツイッター上で拡散されグーグルで検索されている。デジタル事業は5億ドルに達し、バズフィードなどライバルたちの事業を全て足した数字を、大きく上回った」──。2017年にNYTが発表したレポートには“完全勝利宣言”にも等しい言葉が並んだ。11年、月間ユニークユーザー数(UU:サイトへの訪問者数)でハフィントンポスト(現ハフポスト)に負けたNYTは、バイラルメディア勢を、再度蹴散らした。

 一方、敗れたバズフィードは18年に予定していたIPO(新規株式公開)を延期し、本社スタッフのレイオフを実施。ハフポストも海外支社の閉鎖などを余儀なくされている。一度は逆転したはずの新旧メディアの序列。いったい何が起こっているのだろうか。

東海岸×西海岸の
最強モデルだったハフポスト

 ジャーナリストで政財界の重鎮と近いアリアナ・ハフィントン氏、AOL出身のベンチャーキャピタリストのケネス・レーラー氏、それにSNSで“バズる”技術で有名だったエンジニア、ジョナ・ペレッティ氏。この3人が05年に創業したハフポストは、バイラルメディアのはしりであり、“西海岸テック系”と“東海岸レガシー系”の完璧な結婚の産物だった。

 検索で上位にヒットしやすい記事と見出しを生むシステムと、これに対応したCMS(記事入稿システム)を使い、ページビュー(PV)を伸ばし広告収入を稼いだ。独自ニュースを強化し記者を正社員で抱え、社会派記事も多く掲載した。11年にはAOLが3億1500万ドルもの高値で買収するなど順風満帆だった。

 だが状況が変わってきた。米国のインターネット広告市場で、グーグルとフェイスブックというプラットフォーマー2社の寡占が進み、17年時点で2社のシェアは実に63%に達した。広告で稼ぐ仕組みの根幹をプラットフォーマーに握られる限り大きな収益を上げ続けることはできなくなってきたのだ。

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週刊ダイヤモンド 2018年10/27号 [雑誌]

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ダイヤモンド社; 週刊版
2018-10-22

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混迷の度を強めるメディア業界は、テクノロジーの劇的な進化によってさらなる変革の波にのまれており、これから数年で業界の序列は大きく変わる可能性が高い。新序列を決めるのは「財務」「テクノロジー」「人事」「待遇」という4つの格差だ。勝ち残る...もっと読む

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