自分のやりたい事より、苦痛なく継続できる事

人間にとって『居場所が無い』という痛みは非常に苦しく、時に、犯罪をしてでも、それを取り去ろうとする人もいます。例えば、英語も話せず、正規の仕事につけず、仲間もいないアメリカの若者は、ためらいつつも、『自分の居場所』を提供してくれるからマフィアに入る事も多いと言われています。『自分の居場所はどこにある?』は、放置すると恐ろしい『居場所の無い痛みの解消』について、深く考える連載です。

自分が社会に貢献できることで居場所をつくる

起業でやりがいを感じることができなかった私は、インプロのセオリーにのっとって、社会と自分にギブ&テイクが同時に起きることを考えるようになりました。「自分が社会にあげたいもの」を一方的にあげようとしても、意味がないことはすでにお伝えしました。

しかし、社会とは不特定多数でもあるので、自分は社会からこれを求められているということは明確にはわかりません。ですから、最初は自分が社会にあげたいもの(貢献できそうなこと)を意識し、その上で何ができるか考えればよいのです。私自身は、次のようなことが社会に生かせ、誰かしらに「ありがとう」と言われることができそうな気がしました。

● 留学中に身につけた英語
● 海外事情に詳しい
● アメリカで映像制作の授業も受けていた
● インプロやスタンダップ・コメディーなどに詳しい
● アメリカの大学時代に鍛えたので、文章構成がわりと得意

それを意識した上で、自分の持っている力を生かして、世の中に貢献できる仕事はないかとアンテナを張り巡らせていたところ、ある国際放送局の番組でディレクターを募集しているのを見つけたのです。もし、「自分のやりたいことはなんだろう?」という視点であれば、気づかなかった仕事です。

その国際放送局では世界中の人々に向けて、英語で日本のニュースを紹介する番組を担当しました。私のバックグラウンドを生かせる仕事であり、実際にやってみて私は必要とされている、つまり、周りから「ありがとう」を集められるような感覚を得ることができたのです。もちろん、ある種の自己満足ではあります。しかし、どんなにすごいことをしても、「私なんか......」という消極的な姿勢では、マクロな居場所を確保するのは難しくなります。これは、ミクロな居場所で「友人のハードルを下げる」と同じことで、「やりたい仕事」から「できる仕事」へ枠を広げたのです。

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『居場所の無い』痛みは、コミュニケーションで何とかできる!

この連載について

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自分の居場所はどこにある?

渡辺龍太

人は居場所が無いと、とにかくツラい。人によっては、ホストクラブに大金を貢いだり、犯罪に手を染めたり、あるいは、自殺する人もいる。その痛みを解消するために、参考になるのが『即興演劇論』だ。即興演劇の世界では、役者は台本も無いのに舞台に立...もっと読む

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コメント

megmittan3 。 一か八かの賭けに出て、玉砕した理由がよくわかった。どう回復していけるか。 https://t.co/zqun8PVRvZ 8ヶ月前 replyretweetfavorite

itoga_hero 読んでる https://t.co/C7A6deUray 8ヶ月前 replyretweetfavorite

bakuman1008 居場所におけるマクロとミクロの視点 https://t.co/r4Vv9JFUmc 8ヶ月前 replyretweetfavorite