マナー違反という投資で、大きなリターンを得る

人間にとって『居場所が無い』という痛みは非常に苦しく、時に、犯罪をしてでも、それを取り去ろうとする人もいます。例えば、英語も話せず、正規の仕事につけず、仲間もいないアメリカの若者は、ためらいつつも、『自分の居場所』を提供してくれるからマフィアに入る事も多いと言われています。『自分の居場所はどこにある?』は、放置すると恐ろしい『居場所の無い痛みの解消』について、深く考える連載です。

マナー違反という投資もあり

そうはいっても、もし居場所づくりにおいて、あえてずっと帽子をかぶり続けるなど自分のキャラクターとして貫きたいのなら、私は肯定します。その理由は、マナー違反という投資をしてでもそのリターンを狙うという、自分自身のコントロール下におけるマナー違反だからです。

実際、私も長髪ですし、メディアに出るときにサングラスをかけていることもあります。見る人が見たらマナー違反であっても、それも重々承知でそれを超えたリターンを得ようとしているのです。いわゆる自分のブランディングです。世の中の大半の人間は、マナーを守ろうとします。ですから、マナーを忠実に守っているだけでは、周りの人間の記憶に残らないのです。

また、自分の打ち出したいキャラクターを際立たせるために、服装などの、ちょっとしたマナー違反が有効な場合もあります。私の場合であれば放送作家という職業柄、「コイツは、普通のサラリーマンとは違うな」という雰囲気を出して、何らかの注目を集めることを意図的に行っています。

舞台の上では、声が小さいとか滑舌が悪いというのはマナー違反です。しかし、それを意識的にやることでキャラクターを構築しているなら、それも演技の素ということになります。

もちろん、嫌がられることもありますが、職場の居場所づくりの作戦の1つとして有効です。肝心なのは、こういった自分のマナー違反の動機が単に世の中に反発したいとか、ラクをしたいというだけの中二病的な痛々しいものではないことです。それを自分で判断できない人には、このテクニックはおススメしません。

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この連載について

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自分の居場所はどこにある?

渡辺龍太

人は居場所が無いと、とにかくツラい。人によっては、ホストクラブに大金を貢いだり、犯罪に手を染めたり、あるいは、自殺する人もいる。その痛みを解消するために、参考になるのが『即興演劇論』だ。即興演劇の世界では、役者は台本も無いのに舞台に立...もっと読む

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restart20141201 ゛それはその人と接するときだけ、獰猛な動物の飼育員にでもなった気持ちになればいいのです゛ https://t.co/kRb0tgFW9y 9ヶ月前 replyretweetfavorite