口で謝ってもダメ!自分のアイデア・エネルギー・お金で謝ろう

人間にとって『居場所が無い』という痛みは非常に苦しく、時に、犯罪をしてでも、それを取り去ろうとする人もいます。例えば、英語も話せず、正規の仕事につけず、仲間もいないアメリカの若者は、ためらいつつも、『自分の居場所』を提供してくれるからマフィアに入る事も多いと言われています。『自分の居場所はどこにある?』は、放置すると恐ろしい『居場所の無い痛みの解消』について、深く考える連載です。

口で謝るなら、何らかのギブを加えよう

先ほど、稀有な人の例を出したのは、具体的なギブで埋め合わせをすることが必要であるということを紹介したかったことも理由です。事実として、人間関係において人に迷惑をまったくかけないということはありえません。しかも、「ごめん!」と言葉だけで謝るのでは足りないことがほとんどです。自分の頭で考えたアイデアをエネルギー、そして時にお金を使って実行しなければギブ&テイクのバランスの穴埋めができないことも多いのです。

しかし、あなたが遅刻したとして「ごめん!」と言ったときに、「1時間も待たせて、『ごめん!』の一言で済ませるなよ。喫茶店代はお前もちだからな」と言われたとします。それで単に喫茶店代をもっただけでは、ただ相手のアイデアに乗っただけで、自力のギブにはなりません。

即興演技においても、誰かがすでに出したアイデアをそのまま繰り返す、いわゆる『なぞる』という行動がありますが、そのような演技は見ていてつまらないものです。やはり、具体的かつオリジナルのアクションが必要なのです。

遅刻に関していうと、相手が甘いものが好きと知っていれば、喫茶店で普段食べないようなパフェを注文してみるなど、何らかの自分のアイデアをひねり出して、お金やエネルギーを使って、ギブすることが重要です。

しかし、アイデアが出ないときは、『ウィンピング』という、曖昧にアイデアを出すインプロの手法が使えます。喫茶店で具体的にパフェを頼むことを瞬時に思いつかなくても、「飲み物じゃないものも頼んでみる?」というような少し曖昧なアイデアなら、すぐに思いつく可能性があるのではないでしょうか。それが一度出れば、会話の中でアイデアが具体化していきます。

ただし、ここで根本的な問題が浮上します。それは、ギブをすべき相手とは思えない人と付き合うべきかということです。これは自分の心の声に正直になる必要があります。当然、無理してまで付き合うことはないので、自分が利用されていると感じたら、距離をおくべきです。

しかし、もし自分では気づかないギブを受け取っていたなら、距離を取ろうとしていても、自然と近い関係に戻ります。そうでないなら、自分を犠牲にして無理してまで付き合う必要はまったくありません。

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『居場所の無い』痛みは、コミュニケーションで解消!

この連載について

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自分の居場所はどこにある?

渡辺龍太

人は居場所が無いと、とにかくツラい。人によっては、ホストクラブに大金を貢いだり、犯罪に手を染めたり、あるいは、自殺する人もいる。その痛みを解消するために、参考になるのが『即興演劇論』だ。即興演劇の世界では、役者は台本も無いのに舞台に立...もっと読む

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