居場所づくりの盲点!人間関係トラブルへの考え方
居心地のよい居場所を見つけたと思っても、小さなトラブルをきっかけに人間関係が壊れてしまう経験は誰にでもあります。人間が集まれば、トラブルが絶えないのは当たり前のことですが、居場所づくりについて考えるとき、この人間関係のトラブルに関する視点がどうしても抜け落ちがちです。なるべくトラブルを起こさずに人間関係を構築し、維持しようと多くの人が考えますが、それこそが居場所づくりに失敗する人が陥る問題なのです。
トラブルを起こしたときに、それに対処して丸く収める能力が人にはあります。その力を蓄えることが居場所を心地よくする鍵となります。一般的には、自分が悪かったときはその非を認めて、しっかりと謝罪することがよいとされます。しかし、実は周囲に対して不快なことをしている可能性すらまったく自覚していないときにトラブルは起こるのです。
たとえば、遅刻の常習犯に対して怒りを覚えない人はいないはずです。珍しく遅刻してきた人であれば、「ごめん!」の一言ですべてが解決されることはあります。よほどのことがない限り、遅刻者も「ごめん!」の一言で、相手が許してくれると思っているはずです。
しかし、それが遅刻の常習犯であったら、待たされる方は毎回、自分の時間をテイクされ、それに対するギブが「ごめん!」の一言だけではバランスがとれないと感じるのも当然です。遅刻する側は、「仕方なく起こってしまったこと」と認識し、自分についつい甘くなりがちです。しかし、遅刻で待たされた側にとっては、よほどのことがない限り、正当な理由など何ひとつありません。
単なる遅刻が回数を重ねていくと、周囲は毎度のこと待たされて不満が募りに募り、激しく怒ったり、場合によっては縁を切るということもありえます。「小さなトラブル」を放置したために、居場所を失う人が少なくないことは念頭に入れる必要があります。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。