要注意!人間関係で自分だけが損をしている事は滅多にない

人間にとって『居場所が無い』という痛みは非常に苦しく、時に、犯罪をしてでも、それを取り去ろうとする人もいます。例えば、英語も話せず、正規の仕事につけず、仲間もいないアメリカの若者は、ためらいつつも、『自分の居場所』を提供してくれるからマフィアに入る事も多いと言われています。『自分の居場所はどこにある?』は、放置すると恐ろしい『居場所の無い痛みの解消』について、深く考える連載です。

ギブ&テイクのバランス

しかし、そのギブ&テイクのバランスもあります。ギブ&テイクを同時に起こすといっても、完全に二分できるわけではありません。多かれ少なかれ、ギブ寄りの人、テイク寄りの人にわかれるので、時々、不満を持つこともあります。たとえば、金銭や労力が関与していると、「自分よりあの人のほうが得している」というような損得勘定で人間関係がはかられる、などです。

しかし、もしそこにあなたの居場所があると感じる人間関係であれば、仮にギブ&テイクのバランスが取れていなくとも、「自分ばかり損している」といった損得勘定は働きづらいものです。

20代の頃、私一人では手に負えない量の仕事を受けたことがあり、ちょっとおっちょこちょいなのが玉に瑕の仲良しの作家仲間に仕事の一部を割り振り、二人で一緒に仕事をすることにしました。しかし、彼がダブルブッキングをしてしまい、私との案件を急にすっぽかしてしまったのです。

その結果、私は納期までにその仕事をこなすことができなくなり、相当な額の収入を失ってしまいました。私の気持ちのなかでは、その損失を彼に請求したいところでした。しかし、仲がよいということに免じて、仕方なく損失を私が被ることになったのです。

このとき、私は彼に圧倒的にギブしており、彼が一方的に私の時間や信用、エネルギーやお金をテイクしたどころか、吸い取ったと感じ、やるせない気持ちでした。そして、別の仕事で顔を合わせるたびに、彼のおっちょこちょいな部分にダメ出ししたり、説教すらしていました。当時は「どうせトラブルを起こすなら、損する側ではなく自分が搾取して得する側になりたい」とすら思ったほどです。

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自分の居場所はどこにある?

渡辺龍太

人は居場所が無いと、とにかくツラい。人によっては、ホストクラブに大金を貢いだり、犯罪に手を染めたり、あるいは、自殺する人もいる。その痛みを解消するために、参考になるのが『即興演劇論』だ。即興演劇の世界では、役者は台本も無いのに舞台に立...もっと読む

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