自分のやりたい事をやるって、実に愚かでムダだらけ

人間にとって『居場所が無い』という痛みは非常に苦しく、時に、犯罪をしてでも、それを取り去ろうとする人もいます。例えば、英語も話せず、正規の仕事につけず、仲間もいないアメリカの若者は、ためらいつつも、『自分の居場所』を提供してくれるからマフィアに入る事も多いと言われています。『自分の居場所はどこにある?』は、放置すると恐ろしい『居場所の無い痛みの解消』について、深く考える連載です。

自分が楽しむより、周りを楽しませるのが先

では、双方向でギブ&テイクの状態を成立させるために、図のような概念を理解したら、その次にやることは1つです。それは「人を楽しませることを楽しむ」という意識を持つことです。

先ほどの例でいうと、ホストであるアメリカ人に「何らかのお返しをしなければ......」と考えるのではなく、「彼らを楽しませることがそもそもお返しなのだから、自分も楽しもう」と思えばいいのです。

そうはいっても日本人同士の人間関係では、感情面でもう少し複雑な部分もあると思う人もいるでしょう。しかし、基本は「人を楽しませることを楽しむ」であり、それによって双方向でのギブ&テイクが発生し、居場所を見つけられるという法則は同じです。

実際、私は放送作家として番組の企画会議に出ることがあります。そのときに知らない人ばかりだと、最初は会議における自分の居場所はもちろんありません。若い頃はそのような会議で自分が考える企画の面白さを、参加者にわからせようと思っていました。それこそ「自分のあげたいものをあげる」という行動です。

しかし、多くの人は自分のストライクゾーンを持っています。その範囲内で何か新しいものがほしいので、私自身が思う面白さがどうしても届かず、わかってもらえないことも多々ありました。

こういったときに一番初めにしなくてはいけないことは、「人を楽しませることを楽しむ」ということです。具体的には、会議のムードメーカーや決定者などが気に入りそうな企画を、その人たちがワクワクする方向に膨らませるという努力です。これは、絶大な効果があります。

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自分の居場所はどこにある?

渡辺龍太

人は居場所が無いと、とにかくツラい。人によっては、ホストクラブに大金を貢いだり、犯罪に手を染めたり、あるいは、自殺する人もいる。その痛みを解消するために、参考になるのが『即興演劇論』だ。即興演劇の世界では、役者は台本も無いのに舞台に立...もっと読む

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