自分が楽しむより、周りを楽しませるのが先
では、双方向でギブ&テイクの状態を成立させるために、図のような概念を理解したら、その次にやることは1つです。それは「人を楽しませることを楽しむ」という意識を持つことです。
先ほどの例でいうと、ホストであるアメリカ人に「何らかのお返しをしなければ......」と考えるのではなく、「彼らを楽しませることがそもそもお返しなのだから、自分も楽しもう」と思えばいいのです。
そうはいっても日本人同士の人間関係では、感情面でもう少し複雑な部分もあると思う人もいるでしょう。しかし、基本は「人を楽しませることを楽しむ」であり、それによって双方向でのギブ&テイクが発生し、居場所を見つけられるという法則は同じです。
実際、私は放送作家として番組の企画会議に出ることがあります。そのときに知らない人ばかりだと、最初は会議における自分の居場所はもちろんありません。若い頃はそのような会議で自分が考える企画の面白さを、参加者にわからせようと思っていました。それこそ「自分のあげたいものをあげる」という行動です。
しかし、多くの人は自分のストライクゾーンを持っています。その範囲内で何か新しいものがほしいので、私自身が思う面白さがどうしても届かず、わかってもらえないことも多々ありました。
こういったときに一番初めにしなくてはいけないことは、「人を楽しませることを楽しむ」ということです。具体的には、会議のムードメーカーや決定者などが気に入りそうな企画を、その人たちがワクワクする方向に膨らませるという努力です。これは、絶大な効果があります。
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